2013-01-01から1年間の記事一覧
1 僕は、日本人の原型は縄文時代にあると考えていた。しかしじつは、それ以前の氷河期までさかのぼることができるのかもしれない。 縄文時代の基礎は、それ以前の氷河期につくられた。 もう、日本列島に人が住みはじめたところからすでに日本的な文化やメン…
<余談> 一時中断した後、ずっとコメントをチェックしていなかったので、「山姥」さんや「明人」さんからコメントをもらったのに今日まで気付きませんでした。ごめんなさい。今夜、あらためて返信させていただきます。 1 たぶん原初の人類は、同類の中でも…
1 なんのかのといっても、人間にとってのユートピアは生まれ育った地なのだ。 三つ子の魂百まで、というように、幼児体験がその人の一生の趣味嗜好や性格を支配している。たいていの人にとってのいちばんの好物は、子供のときに美味いと思った食べ物だ。 人…
1 議論するというのは、どういうことだろうか。 僕は、インテリの人生を歩んできたわけではないから、そういう体験がほとんどない。 しかし、今にして思う。ひとりで考えたって限界があるし、直立二足歩行の起源やネアンデルタール人のことを議論できる相手…
行き止まりの地 1 ネアンデルタール人と原初の日本人は似ている。 ネアンデルタール人のことを調べると原初の日本人がわかってくるし、その逆もいえる。それは、両者に血縁関係があるというのではなく、似たような状況があった、ということだ。 ネアンデル…
1 この論考のタイトルは、『時代の終わり』あるいは『時代は変わるか?』とするべきだったのかもしれない。 いつまでたっても夢や野心の上昇志向を称揚して終わることができなくなってしまっているのが現在の時代のありさまのようにも見える。 時代が変わる…
1 日本人は「日本文化論」が好きだといわれている。それほどに日本文化の伝統とか日本人とは何かということがうまく自覚できない。それはまあ自意識が希薄だからだということになるのだろうが、日本人は、自分たちの国と外国との違いをうまく認識できない。…
1 現代人は、時代の終わりに対する視線を喪失し、つねに「新しい時代とは?」と問い続ける。それは、みずからの生の終わりと向き合うことのできる感性を喪失している、ということでもある。それで老人はボケてしまったり、老人でなくてもアンチエイジングの…
1 「おもてなし」という人と人の関係。 「おもてなし」の文化が発達すれば、必然的に「別れを惜しむ」人と人の関係が豊かになってくる。それは、人類の定住生活の基本的な生態である。 一般的には、人類は生産効率を上げるために定住生活をはじめたというよ…
1 現在、上野千鶴子らの社会学者をはじめとして多くのオピニオンリーダー的な知識人が、「ネットワーク」こそ新しいあるべき人と人の関係だと合唱しまくっている。 人間社会のネットワークの関係はそれほど新しいものではないし、未来の成功が約束されてい…
1 戦後という時代をリードしてきたのは、良くも悪くも都市に流入してきた人たちだったのかもしれない。 ただ流入してきただけではない、そこでのし上がっていって都市の動きをリードし、都市そのものの姿を変えてゆく存在にもなっていった。 「郷に入らば郷…
1 現在はもう、バブルのように上昇志向をたぎらせて生きてゆける時代ではないらしい。 この社会全体が「閉塞感」に覆われているなどとも言われている。 そりゃあ、上昇志向をたぎらせようとしても先が見えないで閉塞感に陥ってしまう状況は一部にあるかもし…
1 日本人が外来文化にすぐ飛びついてゆくのは、内田樹先生が語るように「辺境意識の文化的劣等感で世界標準にキャッチアップしようとしている」とか、そんないじましい目的意識=上昇志向によるのではない。 ただもう、新しくめずらしいものに対する興味を…
1 現在、時代は変わりつつあるのか。 さしあたって、戦争に負けてよその国に侵略されるような劇的な変化はないだろう。時代が変わるということがそういうことであるなら、時代はそうかんたんには変わらない。 日本列島は、このような変化を、氷河期明けに大…
1 最近になって、「婚活」という言葉が広く流通するようになってきた。 これは、非婚化の流れが止まった兆候だというわけでもあるまい。 結婚する気のない男女がたくさんいる世の中だからこそ、結婚したくてもできない男女も生まれてくる。 まあ、いい条件…
1 いったいなぜ若者たちが結婚しなくなってきたのか。 戦後の一時期に隆盛を極めたテレビのホームドラマの神通力が衰退していったことと歩調を合わせるようにそうなってきた。 戦後十数年たったころからテレビが普及してきてアメリカのホームドラマが次々に…
1 現在は、「ミーイズム」ということがよくいわれる時代であるらしい。 そんなこともないと思えるのだが、若者たちは誰もが自分の世界に閉じこもりたがる、などという。 しかしそれは、人に対して興味がないというのではなく、必要以上に密着した関係になる…
1 戦後の時代様相には、やはり「戦争の時代が終わった」という気分が大きく作用していたのだろう。 もちろん局地的な戦争はその後もずっと続いてきたのだが、あの世界的な大戦争が終わったことの安堵と虚脱感は、ひとまず世界中が共有していた。 そして敗戦…
1 キリスト教だろうと仏教だろうと、「普遍性」を持っていたから世界中に広まっていったのではない。逆に、「ドメスティックな細部」を強調することによって人の心に共鳴現象を起こして広まっていったのだ。伝説・嘘・デマゴーグ、そういうドメスティックな…
1 人と人の心が共鳴現象を起こして集団ヒステリーの騒ぎになることはいつの時代にもある。現在でも、ツイッターやフェイスブックなどのネット情報が火元になって社会的に大きな騒ぎに発展したりする。つまり、時代に踊らされやすい心がそういう現象を生み出…
1 戦後のこの国は、団塊世代に代表されるような「頭でっかちで妙にアクティブで騒々しい」人間をたくさん生みだした。 それは、人を説得・支配しにかかる態度である。 僕だってまぎれもなく団塊世代のひとりであるから、ときどきそんな態度をとってしまうこ…
1 僕は社会学者ではないから、「時代はこんなふうに変わってゆきますよ」と予言する能力なんかない。 人はどんなふうに時代とかかわってゆくのだろう?という問いがあるだけだ。 なんのかのといっても、誰もが時代とかかわって生きている。 社会学者が、冷…
1 これはボブ・ディランの歌のタイトルだが、戦後日本は、ずっとこのような議論をし続けてきて、今なお盛んである。「時代を読む」というようなテーマの本は次々に出版されているし、まあテレビや新聞は、そういう情報を提供する媒体なのだろう。 人々は、…
1 愛されたがっているのは、それほどに不安だということだろうか。 愛されているに決まっていると思えば、そんな心配などする必要がない。 人間なんて、もともと愛し合って存在している生き物だ。いまさらどうして愛されたがるのか。 愛は大切である、とか…
1 「羞恥心」とは、命のはたらきの根源としてのこの生やこの世界に対する「とまどい」であり、「なんだろう?」と問う心の動きである。そこから今どきのあっけらかんとしたギャルの「かわいい」という反応が生まれてくるし、それはまた本格的な学者や芸術家…
1 ここでは今、人間の本能的な心の動きとしての「羞恥心」について考えている。 それは、観念的制度的な「恥の意識」とはまた別のものである。 すでに自分の中にあって後生大事に抱えている「自尊心(感情)」が揺らぐことを「恥の意識」という。 しかしこ…
1 この生やこの世界に対する「とまどい=羞恥」は、心の動きだけの問題ではない。草や木だろうと、生き物の命のはたらきそのものがそのようなかたちになっている。そのようにして「生物多様性」が成り立っている。もしもすべての生き物が「生きようとする本…
1 どう考えても、衣装の起源は、人間が二本の足で立っている存在であるということとリンクしている。このこと抜きに衣装の起源は考えられない。 直立二足歩行の起源についてはほとんど物的証拠がないから問題にすることはできないといっても、このことから…
1 動物のオスのペニスが勃起するとき、その根源に「とまどい=羞恥心」がはたらいている。「ときめき」とは「とまどい=羞恥心」の別名であるともいえる。いずれにせよ、意識が「今ここ」の何かに焦点を結んでゆく現象である。 この「焦点を結ぶ」という意…
1 人間は観念でセックスをしている、などとよくいわれる。 そんなことをいっても、セックスは生き物の普遍的ないとなみであり、人間だって生き物の一種だということのあかしだろう。それどころか、ほかの生き物以上にセックスが好きなのだから、ほかの生き…