2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

感想・2018年9月30日

<戦後の女神たち・6> 阪神淡路大震災や東日本大震災の直後にはあれほどみんなで助け合おうという気持ちが盛り上がったのに,今どきの「ヘイトスピーチ」とか「セクハラ・パワハラ」とか「ストーカー」とか「クレーマー」とか「ストーカー」とか「非婚化」…

感想・2018年9月28日

<戦後の女神たち・5> 70年前の敗戦後の社会情況と数年前の東日本大震災後のそれとどこが違うかといえば、「終末感=解放感」だろうか。 敗戦後は「これでもうすべてが終わった」という「喪失感」をまるごと抱きすくめていったが、大震災後は、どこかし…

感想・2018年9月26日

<戦後の女神たち・4> 『三丁目の夕日』という映画がおもしろいのかつまらないのかよくわからないが、とにかくあれは戦後復興の歩みのポジティブな側面を称揚している映画であり、あんなにも貧しかったのに人々の心は華やぎ、人と人の豊かに助け合う関係が…

感想・2018年9月24日

<戦後の女神たち・3> 敗戦後のこの国は、今どきの右翼がいうように人心が荒廃していたわけではない。たいした暴動が起きることもなく、着実に復興に向けて歩みはじめていた。廃墟と化した東京には、どんどん人が集まってきた。だからまあ、「パンパン」と…

感想・2018年9月21日

早速電子書籍を買っていただいた人、どなたかわかりませんが、どうもありがとうございました。<戦後の女神たち・2> ともあれ団塊世代は、敗戦直後の困窮が極まっている時代に続々と生まれ出てきたのだ。困窮しているうえに、敗戦による精神的なダメージも…

感想・2018年9月20日

<自己紹介> キンドルから電子書籍を出しました。ただいま5日間の無料キャンペーン中です。よかったら検索してみてください。 僕はもともと小説の挿絵を描いていたのですが、絵を描くのがいやでいやでしょうがなかった。ますますいやになっていって、絵よ…

感想・2018年9月18日

<何を書くか> まあ、やっとこさで電子書籍を出したのだけれど、何しろ僕が書くものは、マンガや小説と違って、とても市場が狭い。そこがなやましいところです。 やっぱり、できるだけたくさんの人に読んで欲しい。 べつに、自己満足だけで書いているわけで…

感想・2018年9月16日

<宣伝です> やっと、「キンドル」から電子書籍を出版しました。 『試論・ネアンデルタール人はほんとうに滅んだのか』 『初音ミクの日本文化論』 それぞれ上巻・下巻と前編・後編の計4冊で、一冊の分量が原稿用紙250枚から300枚くらいです。 このブ…

感想・2018年9月12日

<小林秀雄『本居宣長』> 小林秀雄は今でももっとも好きな批評家だが、その作品論や作家論を書きたいとは思わない。こちらの勝手な解釈であれ、彼がたどり着いたところから歩きだしたいと思っている。 この本を読んで、本居宣長がいかに本質的で稀有な学者…

感想・2018年9月8日

<折口信夫『国文学の発生』> 折口信夫のこの著作の中には、有名な「まれびと論」がおさめられてある。 世評の高い作家だからちょっと期待して読みはじめたのだが、これはもう、書き出しのところからつまずいてしまった。 その論考はまず、折口の個人的な体…

感想・2018年9月6日

<吉本隆明『共同幻想論』> 1970年代まで僕は吉本隆明に夢中だった。 違和感を覚えはじめたのは、80年代になってからだった。 そのころから吉本は、『マスイメージ論』等、さかんにサブカルチャーについて語るようになってきた。で、周囲の若手評論家…

感想・2018年9月2日

<不健康という自然> 医者の仕事は、生きられない人を生きさせてやることにある。 それは「生きられない」ということを肯定するいとなみであり、人は「生きられなさを生きる」存在だ。 「いやいや、生きられない人は死んでゆくのが当然でしょう」というのが…

感想・2018年9月1日

<疚しさ> 僕にとって批評とは、この世界に対して「異議申し立て」をすることにある。 この世界の正しいことに対して、「それは違う」といいたくなってしまう。 正しいことが悪を裁くのなら、僕は「この世のすべては許されている」といいたい。 生き延びる…