2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」11

今日は、少し雨。 ・・・・・・・・・・・・・・ 古代の日本列島においては、太陽という「もの」が神であったのではない。太陽が照り輝く「こと」を「かみ」といったのだ。だから「アマテラスオオミカミ」という。太陽の中には、太陽を輝かせる神の力が宿っ…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」10

辻が花について考えることは、日本列島の歴史に根ざす「かみ」について考えることでもある。 人類は、いつどこで「神」を発見したのか。 これは、大問題だ。 神は、神の姿に似せて人をつくりたもうた……というよくいわれていることにたいして僕が「そんなこと…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」9

友達や家族や恋人は、大切ですか。 僕にはよくわからない。 ときどき、全部どうでもいい、と思うことがある。 人間の心の根源は、そんなものを大切に思うようにはできていないのではないだろうか、と思ったりする。 人間の心は、失うことを受け入れることが…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」8

古代や中世の日本列島の住民は、辻が花を着ることを、おしゃれの粋のように思っていたらしい。 おしゃれとは何か、といわれても、よくわからない。たぶん、おしゃれはあなたたちのいうようなことだけではすまない。 人間は、「おしゃれ」という意識を持って…

祝福論(やまとことばの語源)・閑話休題

のりをさま ・・・ あなたの大切な時間をわずらわせたことは申し訳なく、そしてかくも丁寧で示唆に富んだコメントをいただき、感謝し切れません。 指摘していただいてはじめて気づいたことが、たくさんありました。 こういうことは、自分で考えることはでき…

祝福論(やまとことばの語源)・「采女(うねめ)」

「采女(うねめ)」と「舎人(とねり)」は一対のことばである、というようなことを、折口信夫がいっている。 両方とも地方から人質のようにして大和朝廷に連れてこられた者たちで、女の「采女」は巫女になり、男の「舎人」は下級役人になった。両方のことば…

祝福論(やまとことばの語源)・「もたい」

「もたいまさこ」という女優は、嫌いじゃない。 「かたぎりはいり」という女優も、じつはファンです。 「はいり」という名前が意味深で素敵だ。何か、同じ星のもとに生まれた人のような親近感を覚える。僕もまたこの社会に対する「背理(はいり)」を紡いで…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」7

われわれは、追いつめられている。 しかしそれは、村上春樹氏が言うような「システム」という名の社会の制度からではない。 この世の中にはたくさんの人が寄り集まって暮らしているということ、そのことがわれわれを追いつめているのだ。 それはもう人類の歴…

祝福論(やまとことばの語源)・ああ結婚

内田樹先生が再婚されたらしく、それで先日、このブログがどんな反応をしているかと偵察に来る動きがあって、不自然にヒットポイントが増えたりしました。 大学の教会で式を挙げ、神戸のホテルオークラで盛大な披露宴を開いたのだとか。 それで先生は、自身…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」6

「衣装の起源」について書こうと思ったのだけれど、ちょいと寄り道です。 ・・・ 女は、監視する生きものである。男を、子供を、向こう三軒両隣を、監視する。 しかしだからこそ、何もかも忘れて呆けてしまう瞬間も体験している。 女三界に家なし、というが…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」5

長くなるけど、先を急ぐのでこのまま載せてしまいます。 村上春樹の「1Q84」という最新作は1980年代という時代がモチーフになっているそうだが、この時代をどう評価分析するか、今いろいろいわれている。 われわれ団塊世代は、この時代を、30代の…

祝福論(やまとことばの語源)・もう一度閑話休題

ゆかさま ・・・ 僕は、「諜報機関」とか、そういう問題は認めません。 自分の「外」の問題にしてもしょうがない、と思っています。そういうことはもう、自分の中で処理してしまうしかないのではないか、と。そして、早く丸ごとの「ゆか」さまに戻ってもらい…

祝福論(やまとことばの語源)・閑話休題

なんだか妙な展開になってきて、かなり戸惑っています。 この事態にどう対処すればいいのか、僕にはよくわかりません。 「のりを」さん。 あなたの姪御さんは、どこかで深く傷つく体験をされたらしい。 生きていられないくらい、深く傷ついた。 しかしその敵…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」4

日本史の通説では、弥生時代に大陸からたくさんの人がやってきたことになっている。 本当にそうなのだろうか。 そんなにたくさんの人がやってきたのなら、文字を知っていた人もいただろう。 知っていれば、何かに書き残したくなるものだ。漢字が記されてある…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」3

誰がいい人でよくないかとか、何がいい社会で悪い社会かとか、もうそんなことばかり詮索していてもしょうがないと思う。 みんなセーフだし、みんなアウトだ。 とりあえず「今ここ」に人がいて、世界があるということ、その事実は受け入れてゆくしかない。 反…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」2

辻が花のことをつついてゆけば何かが見えてくるかもしれない、とふと思いました。 問題は、日本列島の昔の人はその「空白」の白い花にときめいていたということ、それだけです。 彼らは、その「空白」にとろりとした「豊穣」を見ていた。 夜の闇という「空白…

祝福論(やまとことばの語源)・「辻が花」1

もしも人間というものが内田樹先生のいわれるとおりなら、僕の考えることはまったく空疎なものになってしまう。 そういう危機感というか不安がいつもあります。 こんなふうに内田先生の批判文を書いていても、当人は知りもしないし、知ってもたぶん痛くも痒…

祝福論(やまとことばの語源)・「舞ふ」

肉体労働をしている人はともかく、ふかふかの椅子に座って他人を支配したり美味いものばかり食ったりしている人たちは、ふだん自分の体を楽させているから、自分の体と対話するとか、自分の体との関係にけりをつけてこの世界の「空間」に身を投げ出してゆく…

祝福論(やまとことばの語源)・「ことだま」 13

原初のことばは、一音だった。 それは、きっとそうでしょう。 あるときその一音に対する愛着が集団内で生まれ、共有され、その一音を発することがちょっとしたブームになっていった。 たとえば「さ」という音声でもいい。その集団はやがて、何かあると誰もが…

祝福論(やまとことばの語源)・「ことだま」12

楽しいことの余韻は、すぐに消えてしまう。 楽しさは、楽しんでいるときにしかない、ともいえる。 それを余韻として浸るためには、新たに別の感慨がわいてこなければならない。 女が、セックスのあとの余韻に浸っているのは、興奮がまだ続いているからではな…

祝福論(やまとことばの語源)・「ことだま」 11

ありがたい励ましをいただいたから、もう一度、ことばの発生段階に戻って考えてみます。 「ことだま」とは、つまるところことばが発生する体験のことであって、ことばそのものの構造や文章表現の問題ではない。 ことばの構造や意味にではなく、ことばという…

祝福論(やまとことばの語源)・閑話休題 2

きのうNHKで「鬱病」の特集をしていました。 で、患者に「鬱」を抑える薬を投与しすぎると、とつぜん凶暴な攻撃性が起きてきたりして、そのために傷害事件を起こした人もいるそうです。 薬を投与することは根本的な治療にならない。それは「心」の病なのだ…

祝福論(やまとことばの語源)・「ことだま」 10

僕はみじめで暗い人間だが、のうてんきでもある。やつらのように、この社会の制度性や西洋思想に囲い込まれて「人間は根源的に<意味>にとらわれた存在である」とか「人間は根源的に<幸せ>を求める存在であり、それがなければ生きられない」とか、そんなペ…