2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ややこしい・ここだけの女性論24

1 人間は観念でセックスをする存在である、といった心理学者がいます。 何をくだらないことをいってるんだか。 しかし、こういう考え方は、現代社会そのものの病理でもあるのですよね。 いい女になればいい男をつかまえることができる。いい男をつかまえる…

不倫の風景・ここだけの女性論23

1 セックスのときの男は、女のあとを追跡している。 いちおう男は、女をよろこばせもだえさせるのが男のセックスの甲斐性だと思っているのだが、それ自体女のあとを追いかけている証拠なのですよね。そうやって女を支配しているつもりでも、ほんとうは女の…

ありえない・ここだけの女性論22

1 たとえフーゾク嬢が相手であろうと、日本人のセックスはすべてが「情交」であって、たんなる「性交」ではない。 心が通い合っているというのではないが、たがいに非社会的で非日常的な気分になっている。「憂き世」という気分を共有している。 おたがいが…

やりまくる・ここだけの女性論21

1 現在は男と女のセックスの関係が不調になってきているともいわれています。それが「結婚したがらない」とか「少子化」という問題につながっているらしい。 で、とりあえずセックスの問題を書いてみようと思うのだけれど、べつにそのことの社会的な意義と…

女の時代・ここだけの女性論20

1 いったい、戦後という時代はなんだったのか。 「女が元気になった」とか「いい女が増えた」などといっても、男からしたら、おまえら勝手にそうやっていい気になっていろ、という話です。女どうしでそうやって自己満足に浸っているだけかもしれない。 男は…

男を置き去りにする・ここだけの女性論19

1 日本列島では、どうしようもなく男が女に引き寄せられてしまう関係性の文化風土あるのですね。そしてそれは、女が女の本性として非日常の世界に入り込んで、自分から男に寄っていったり男を引き寄せようとする欲望を持っていないということの上に成り立っ…

解き放たれる・ここだけの女性論18

1 石川啄木の歌です。 ■放たれし女のごとく 妻の振舞う日 庭のダリアを見る 「放たれし女」とは、心が「非日常」の世界に入ってしまっている、ということでしょう。 そんなとき男はもう、なんだか置き去りにされた気分で庭のダリアを眺めているしかない。 …

非日常のお祭り・ここだけの女性論17

1 女は「非日常」的な存在です。 この世界に対しても男に対してもみずからの生に対しても、どこかしらではぐれてしまっている。そこに女のかなしみがあるのでしょうか。 今どきはちょっと違うとしても、もともとはそういう存在なのだろうと思えます。 男が…

挫折感を慰撫する・ここだけの女性論16

1 「癒し」とか「萌え」とか「おもてなし」という言葉が流行ることの深層には、女が男の世話をするというこの国の伝統的な習俗がはたらいているように思えます。 女が男の世話をするからといって、男に従属しているわけではない。男の世話をするということ…

死んでもいい・ここだけの女性論15

1 なんのかのといっても、歴史的に、日本列島の女は死の問題を解決している存在だった。死と和解している存在だった。 そこにおいて、男をリードしていた。人間が生きのびようとしてあれこれ生産活動や政治活動に励んでいるからといって、いちばんの大問題…

男の世話をする・ここだけの女性論14

1 たとえば、一人暮らしの男の部屋に行って掃除をしてあげるとか、そういう「女の細やかなやさしさ」とやらを示す方法をあれこれ伝授している女性論もあります。 やさしさなんですかね。ただの点数稼ぎじゃないですか。もてない女ほどそういうことをまめに…

おしゃれのセンス・ここだけの女性論13

最初の女性論のテーマに戻ります。 1 ひところブームになった『女性の品格』という本は、ひとまず女としての品のあるたしなみのようなものを書いているのだろうが、しかしあの著者の女性は、どうしてあんなにも着るもののセンスがダサいのでしょうね。あん…

女の世界・源氏物語の男と女11(終わり)

1 生きてあることのかなしみやいたたまれなさは、直立二足歩行の開始以来の人間であることの与件です。この生はそうした「嘆き」にまとわりつかれてある。日本人は、そうした「嘆き」や「まとわりつかれている」ということにことのほか敏感な民族です。何か…

ラグジュアリーな世界・源氏物語の男と女10

1 とりあえずここでは、源氏物語を通じて、平安時代の宮廷の人々は死の問題をどのようにとらえていたかということについて考えてきました。 おそらく、現代社会そのものが、あのころの貴族社会のような様相を呈している。 この国の戦後社会も、人々の暮らし…

女のカウンターカルチャー・源氏物語の男と女9

1 貴族の男たちによる「雨夜の品定め」という女性談義から啓発を受けたらしい光源氏はそれを実行に移してゆくが、次々に挫折してゆく。 たぐいまれな美貌の貴公子が、なぜ挫折し続けなければならないのか。 女とは本質において男を拒否している生き物である…

浮舟・源氏物語の男と女8

1 日本人は「もののあはれ」という言葉が大好きです。 しかし、誰もこれをうまく説明できない。小林秀雄や本居宣長の説明だって、どこか核心に届いていないもどかしさが残ってしまう。 「源氏物語論」の吉本隆明にいたっては、完全にこの言葉を避けている。…

宇治十帖・源氏物語の男と女7

1 平安時代の宮廷の女たちの心は、深く「もののけ」の気配に追いつめらていた。彼女らは、そこから解き放たれてゆく心の作法として「もののあはれ」という美意識をはぐくんでいった。そしてそれは、人の心の根源的なはたらきでもあり、そうやって原初の人類…