2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧
その五・疲れ果てる 内田樹は「自尊感情」という言葉をよく使うのだが、「人は自尊感情を持てなければ生きられない」のだとか。 自尊感情、すなわちナルシズム。 笑わせてくれるじゃないか。 どんな顔をしているのか知らないが、自閉症のナルシストなんだろ…
その四・きらきら輝いている 1 都市の祝祭性、という問題がある。そこに引き寄せられて人が集まってくる。 人類拡散の果てに氷河期の北ヨーロッパで暮らしていたネアンデルタール人の社会だって人と人が他愛なくときめき合うフリーセックスをはじめとする「…
その三・都市の混沌 1 「都市」という言葉を広義に扱うなら、人間の集団はすべて「都市」である、ともいえる。 やまとことばの「村(むら)」の語源の意味は、「人が集まる賑わい」ということにある。べつに「人口が少ない地域」という意味だったのではない…
1 考古学の発掘証拠によれば、1万年くらい前のトルコ南東部(チグリス・ユーフラテス川の上流域)には、すでに数千人から1万人近い規模の大きな集落がいくつかあったらしい。これがまあ、本格的な「都市の起源」だろうか。 その中のひとつであるギョベク…
1 都市の起源と本質について考えてみたい。 僕自身は、都市で生まれ育ったわけではない。だから正直なところあまり自信はないのだけれど、これは、人類史を考えるうえで避けて通ることができない問題かもしれない。 この世の中は、人が多すぎる。しかしその…
1 「セックスアピール」を感じることは「ときめく」こと。 「セックスがしたい」という欲望だけでペニスが勃起するかといえば、そうはいかない。 多くのインポテンツの男が、ひといちばいの「セックスをしたい」という欲望をたぎらせている。 ペニスを勃起…
1 東京ではもう、桜が散ってしまった。 今ごろどこらあたりで咲きそろっているのだろう。 福島とか仙台あたりだろうか。 満開の桜の花は、東日本大震災の被災地の人々の心を癒しているのだろうか。 まあ桜に対する感じ方も人それぞれで、「何だかそわそわさ…
1 日本列島の「神」は、祭りの祭神として生まれてきた。すなわちいたたまれないこの生から「非日常」の世界に誘うセックスアピールの象徴としてイメージされていったのであって、西洋の「ゴッド」や仏教の「仏」のように、この生を支配しこの生を成り立たせ…
1 人類はどのようにして「神」という概念を生み出したのかということは、人類史の大問題だ。 原始宗教(アニミズム)は「精霊信仰」や「呪術」として生まれてきたとよくいわれていて、それはまあ、現在のアフリカやアマゾン奥地の未開人の信仰がそうなって…
1 現在の人類学者をはじめとする歴史家は、人類はどのようにして「神」という概念を見出していったかという問題に対する考察がおそらく間違っている。それは、人類の文化の起源の契機に対する認識の問題でもあり、そこのところで根源的な誤解というか錯誤が…
1 「生きられなさを生きる」ことの恍惚というものがある。この世のもっとも本格的な学者や芸術家は、「わからない=生きられない」という状態に身もだえして生きながら、そこから新しい真理や色や形や音に「気づく=発見する=感じる=ときめく」という体験…
1 人類はいつごろから障害者の「介護」という行為をするようになったかといえば、考古学の証拠としては10万年くらい前のネアンデルタール人はすでにそれをしていたといわれている。彼らは死をもいとわないような大型肉食獣との肉弾戦の狩りをしていたから…
今どきの社会において、伊勢白山道や江原なんとかをはじめとするスピリチュアルの与太話がこんなにももてはやされるということは、病める現代人はそれほど切実に「神」必要としているということかもしれない。彼らは、それがなければこの生の外の「非日常」…
1 人類が二本の足で立って一年中発情している存在であるかぎり、「もう死んでもいい」という勢いの心の動きが起きてくることは避けられない。その勢いにこそ人間的な知性や感性の本質があり、人が人を想うことの「ときめき」がある。 人の心は、そうやって…