2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

感想・2018年11月21日

<戦後の女神たち・はた迷惑な世代> 人の心は、「喪失感」を抱きすくめながら華やぎときめいてゆく。それが大震災のときの「吊り橋効果」だったのだろうし、震災直後はひとまず誰もがそのような気分になっていった。それを、なぜすぐに打ち消し忘れてしまう…

感想・2018年10月15日

さまざまな伝統回帰 敗戦後のこの国は、団塊世代の親たちが「喪失感」を共有しながら復興のダイナミズムを生み出していったが、それゆえにこそ、団塊世代はついに「喪失感」とは無縁のまま大人になっていった。 敗戦後と大震災後の社会情況の違いは、「喪失…

感想2018年11月11日

この生のかたち 「さよならだけが人生だ」という名文句を吐いたのは、井伏鱒二だっただろうか。 その通りだと思う。 700万年前の原初の人類が二本の足で立ち上がったことは、猿としての生と決別する体験だった。ひとまず猿として死んだ、と言い換えてもよ…

感想2018年11月6日・ひどい世の中

現在のこの国がどうなっているのかということを考えたとき、多くの人が暗澹とした気持ちになる。妙な右翼思想がのさばっている政治の世界だけでなく、民衆社会の人と人の関係もなんだかいびつになってしまっている。 逃げ出したいような世の中ではないか。 …

感想・2018年11月1日

<戦後の女神たち・敗者の場所> 女は損だ、と女は言う。その社会的地位が満たされていないということ以前に、たとえば思春期以降はずっと毎月のさわりと付き合っていかねばならないわけで、その鬱陶しさだけでもう存在そのものの敗北感を味わわされている。…