2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

文明の停滞・ネアンデルタール人と日本人・6

1 アフリカのホモ・サピエンスがヨーロッパに乗りこんでいってネアンデルタール人を滅ぼしてしまったとか、原始時代は闘争の歴史だったとか、その闘争によって人類の文化・文明は花開いてきたとか、どうしてそんな倒錯的なことをいうのだろう。現代社会がそ…

「終わり」から生きはじめる・ネアンデルタール人と日本人・5

1 僕は、日本人の原型は縄文時代にあると考えていた。しかしじつは、それ以前の氷河期までさかのぼることができるのかもしれない。 縄文時代の基礎は、それ以前の氷河期につくられた。 もう、日本列島に人が住みはじめたところからすでに日本的な文化やメン…

拡散の能力・ネアンデルタール人と日本人・4

<余談> 一時中断した後、ずっとコメントをチェックしていなかったので、「山姥」さんや「明人」さんからコメントをもらったのに今日まで気付きませんでした。ごめんなさい。今夜、あらためて返信させていただきます。 1 たぶん原初の人類は、同類の中でも…

定住文化・ネアンデルタール人と日本人・3

1 なんのかのといっても、人間にとってのユートピアは生まれ育った地なのだ。 三つ子の魂百まで、というように、幼児体験がその人の一生の趣味嗜好や性格を支配している。たいていの人にとってのいちばんの好物は、子供のときに美味いと思った食べ物だ。 人…

「議論」・ネアンデルタール人と日本人・2

1 議論するというのは、どういうことだろうか。 僕は、インテリの人生を歩んできたわけではないから、そういう体験がほとんどない。 しかし、今にして思う。ひとりで考えたって限界があるし、直立二足歩行の起源やネアンデルタール人のことを議論できる相手…

ネアンデルタール人と日本人・1

行き止まりの地 1 ネアンデルタール人と原初の日本人は似ている。 ネアンデルタール人のことを調べると原初の日本人がわかってくるし、その逆もいえる。それは、両者に血縁関係があるというのではなく、似たような状況があった、ということだ。 ネアンデル…

時代の終わり・「時代は変わる」18(この稿終わり)

1 この論考のタイトルは、『時代の終わり』あるいは『時代は変わるか?』とするべきだったのかもしれない。 いつまでたっても夢や野心の上昇志向を称揚して終わることができなくなってしまっているのが現在の時代のありさまのようにも見える。 時代が変わる…

日本文化論の深層・「時代は変わる」17

1 日本人は「日本文化論」が好きだといわれている。それほどに日本文化の伝統とか日本人とは何かということがうまく自覚できない。それはまあ自意識が希薄だからだということになるのだろうが、日本人は、自分たちの国と外国との違いをうまく認識できない。…

別れのかなしみ・「時代は変わる」16

1 現代人は、時代の終わりに対する視線を喪失し、つねに「新しい時代とは?」と問い続ける。それは、みずからの生の終わりと向き合うことのできる感性を喪失している、ということでもある。それで老人はボケてしまったり、老人でなくてもアンチエイジングの…

おもてなし・「時代は変わる」15

1 「おもてなし」という人と人の関係。 「おもてなし」の文化が発達すれば、必然的に「別れを惜しむ」人と人の関係が豊かになってくる。それは、人類の定住生活の基本的な生態である。 一般的には、人類は生産効率を上げるために定住生活をはじめたというよ…

ネットワークの関係に未来はあるか・「時代は変わる」14

1 現在、上野千鶴子らの社会学者をはじめとして多くのオピニオンリーダー的な知識人が、「ネットワーク」こそ新しいあるべき人と人の関係だと合唱しまくっている。 人間社会のネットワークの関係はそれほど新しいものではないし、未来の成功が約束されてい…

都市の変貌・「時代は変わる」13

1 戦後という時代をリードしてきたのは、良くも悪くも都市に流入してきた人たちだったのかもしれない。 ただ流入してきただけではない、そこでのし上がっていって都市の動きをリードし、都市そのものの姿を変えてゆく存在にもなっていった。 「郷に入らば郷…