2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧
原初、「神」ということばは、「宗教」ではなかった。 それは、この世界やこの生の不可解さを表出することばだった。 そのとき人間は、そういうことばを必要とした。 なぜか。 不可解さを深く思い知って、不可解さそれ自体を生きようとしたからだ。 彼らにと…
人間の心は、根源において「わけのわからないもの」に憑依している。 生まれてきて生きていることは「わけのわからない」事態であり、死ぬことはなおさらにそうだ。われわれはもう、この想念から逃れられない。 「原初の混沌」などという。 原初の世界は混沌…
「混沌」とは、「わけのわからない」ものや事柄を意味するらしい。 2万年前の原始人がつくった「頭がライオンで体が人間」という彫像は、あの地平線の向こうにはそういう「わけのわからない」異民族が暮らしている、と想像したのかもしれない。 彼らはまだ…
E・レヴィナスは、「受動的よりもっと受動的」といった。つまり、「人間存在の根源的な受動性」ということをいいたいらしいのだが、そういう受動性は、「神」の存在を当てにしている西洋人にわかることではない。 彼らは、「全能の神」すなわち「神がこの世…
やっぱり、はじめに「ことば」があった、のかもしれない。 ことばを持っていたから人間は、「神」という概念を発見したのだろう。 結論から先にいおう。 ことばは、あなたと私のあいだの「空間=すきま」で生成している。その「空間=すきま」が「神」だ。 …
人類が「神」という概念を持ったのは、いつごろからだろうか。 二万年前の氷河期のヨーロッパ・クロマニヨンは、「頭がライオンで体は人間」という彫刻を作っている。古人類学の研究者たちのあいだで、これは「神像」だろうといわれている。 ヨーロッパには…
この国に「草食系男子」が増えてきたことを何か嘆かわしいことのようにいう大人たちがいる。 貧富の格差が広がって社会の階層化が進んでいることが原因だという話も聞く。 しかしべつに、階層下位の若者だけが草食系になっているのでも、階層下位の若者はみ…
前回言及した村上龍氏の最新エッセイのタイトルは、 『逃げる中高年、欲望のない若者たち』(ベストセラーズ) というのだとか。 いちおう仁義だから、紹介しておきます。 でも僕は、買って読むつもりはありません。 ただ、僕のまわりには内田樹先生とか村上…
「近ごろの若者はなっとらん」というのと「近ごろの若者はしっかりしている」というのと、根は同じかもしれない。 「おまえらどうしてそんなに根性がないんだ」というのも「大人のようにあくせくしていない」というのも、まあ見ているところは同じだろう。 …
内田樹先生が、「エマニュエル・レヴィナスによる鎮魂について」というタイトルの、ちょっと哲学的な記事を書いておられる。 毎度の内田批判では僕としても先に進めないから素通りしようと思ったのだけれど、やっぱり少しだけ書いておくことにする。 結びの…
先日の<「世のため人のため」だってさ、くだらね>というエントリーで、「おまえはこのブログの宣伝のために内田批判を続けているのだろう」という匿名のコメントをもらった。 僕の提出した主題に対するひとことの反論もなく、影からこそっと石を投げつける…
またまた内田樹先生が癇に障るようなことを自身のブログに書いておられるので、その反論をもう一回書いておきます。 僕は、先生の提唱する「世のため人のため」というお題目が大嫌いである。 しかし、だから自分勝手に生きればいいといっているのではない。 …
内田樹先生が、「教化的ということについて」というタイトルのブログ記事を書いておられた。 それは、朝日新聞が、世の中の成功した人を引き合いに出して、われわれもこのように生きようというような記事ばかり書いていることに対する批判で、そんな成功者の…
他者に対する関心や好奇心の希薄なものたちは、他者を分析する。 つまり、自分の物差しで他人を決め付けてしまう。 おまえがそうだからといって他人もそうだとは決まらないんだぞ。 他者を分析することで、他者に対する関心を消去する。関心を持ちたくないの…
新年の感慨なんかありませんよ。 今年の抱負とか夢なんかありませんよ。 ただもう「身体の輪郭」と「献身」というテーマをうまく片付けたいのだけれど、四苦八苦するばかりだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生き物の基本は、体が動く、というこ…