2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

感想・2018年7月31日

<女の絶望> 男は、女が持っているかなしみの深さに、どうしてもたどり着けない。 古語の「おみな」の「み」は、「実」「身」「見る」で、「やわらかさ」とか「本質」とか「認識」というようなニュアンスをあらわし、「な」は、「慣れる」「なつく」「なじ…

感想・2018年7月29日

<人生の忘れもの> 昨日は台風でちょっと寒いくらいだったが、今日はとても暑い。 これは、たんなる時候のあいさつ。 毎日の日付をタイトルにしているのだが、どうも日記風のことは書けない。社会不適合者には、それはどうにも荷が重い。 このところ、毎日…

感想・2018年7月27日

<不幸のかなしみ> この広い世の中には不幸な夫婦関係の中に置かれている女はいくらでもいる。 そこで別れようと別れるまいと、その不幸のかなしみによって輝きが増す女もいれば、くすんだり歪んでしまったりする女もいる。 人間とはもともと「不幸のかなし…

感想・2018年7月26日

<ミツバチの孤独> ハイデッガーは「言葉は存在の家である」といった。 それに対して吉本隆明は、「言葉の本質は<沈黙>にある」といった。 つまりハイデッガーは、「言葉は自分という存在の中にあるのではなく、自分の外で自分を取り囲むようにして生成し…

2018年7月24日

<不幸について考える、ちょっとだけ> 先日、母子家庭の貧困のことについてちょっと書いた。 不幸は、貧困だけのことではない。夫婦関係が悪いとか、職場の人間関係が最悪だとか、いじめにあっているとか、さらには顔かたちがブサイクだとか、病弱だとかと…

感想・2018年7月22日

<邂逅> 東日本大震災は、1000年に一度の大津波に加えて世界最大級の原発事故が重なり、この災害を境にして日本人が変わるだろうといわれたりしたが、7年たって、けっきょくそんなこともなかったらしい。 良くも悪くも、相も変わらず日本人は日本人で…

感想・2018年7月21日

<おたがいさま> 現在のこの国の母子家庭・父子家庭の割合は、だいたい全体の一割くらいらしい。 その数が多いのか少ないのか知らないが、とくに母子家庭は経済的に困窮している場合が多く、そうなると子供の教育には大きなハンディキャップになる。そして…

感想・2018年7月19日

<弱者とは誰か?>今どきの自民党の政治家は嘘つきばかりで早くやめてもらいたいと思っている人たちが半分いて、べつにこのままでもかまわないとか自民党のほうがいいんだと評価している人たちが半分いる。 いずれにせよ社会的弱者はマイノリティで、大なり…

感想・2018年7月18日

<ネトウヨと批評家> 批評とは何かということはよくわからないのだけれど、今どきはネット社会で、誰もが批評家になっているとか一億総批評家時代などともいわれている。 ネトウヨだって、まあ批評家なのだ。彼らは、この世でもっとも俗悪な批評行為に血道…

感想・2018年7月17日

<桜の花の下で> まあ人は、人類滅亡を夢見ている存在だから、戦争をしたがるし、「ネアンデルタール人は滅んだ」などといいたがるのかもしれない。 しかし、人類滅亡を夢見ることこそが命のはたらきや心のはたらきを活性化させるのであり、そんなめでたい…

感想・2018年7月16日

<人類滅亡は不幸ですか?> やっぱり、プライベートなことは、あまり書きたいとは思わない。 書きたいほどのことなんかないし、しかし書くこと自体が自分をさらけ出すことだということも承知しているつもりです。 誰だって、何かを書きたいという衝動は持っ…

感想・2018年7月14日

<恥多き> 今どきはめまぐるしく移り変わる世の中だから、たえず現在の時代はどうなっているのかと気にしながら生きていかねばならない。 気にしなくてもいいのだが、気になってしまう。 戦後10年目ころにテレビが登場し、たちまち誰もがそれを欲しがるよ…

感想・2018年7月13日

<嘆く> 僕は社会不適合者でおまけに若くないから、外に出るとものすごく疲れる。暑さのせいもあって、もう疲れ果てる。夕飯を食べると、すぐ眠くなってしまう。ひきこもりと一緒、そうして夜中に起きだしてごそごそしはじめる。 それはともかくとして、 ………

感想・2018年7月12日

<脱・表層批評宣言> 蓮実重彦の『表層批評宣言』は1980年代の「ニューアカブーム」のころに評判になっていた本で、これによって彼はブームの先導者のひとりに祀り上げられていました。 フランス帰りの気鋭の批評家にして東大助教授、ということで、け…

感想・2018年7月10日

<災害列島> 今回の集中豪雨で200人近い死者が出たらしい。 大災害にちがいない。 とはいえ当事者ではないのだから、どんな感想を書けばいいのかよくわからない。 とにかく大災害で、死んだ人や怪我をした人だけでなく、それ以上のたくさんの人たちがこ…

感想・2018年7月9日

<歴史の記憶> 人の心は安きに流れる。 人は本性においてなまけものである。 それはまあそうだが、誰もが安楽に生きられるわけではないし、安楽でなければならないというわけでもないし、それがいちばんだともいえない。 人は水の中では生きられない生きも…

感想・2018年7月8日

<試論・ネアンデルタール人はほんとうに滅んだのか> いま『ネアンデルタール人論』の電子書籍を出そうと準備しているのだけれど、なかなか進みません。 ネアンデルタール人のことならもう原稿用紙5000枚分以上は書いているのだけれど、そこから500…

感想・2018年7月7日

<情交と性交> 日本人よりも、たぶん西洋人のほうがずっと家族を大切にする。 一般的には、日本人は集団的で西洋人は個人的だとよくいわれるが、われわれには彼らほどの愛国心も公共心もない。 日本列島の愛国心なんか明治以来のたかだか150年の歴史だし…

感想・2018年7月6日

〈家族のかなしみ、かなしみの家族〉 近ごろ評判の「万引き家族」という映画を見てきました。 さすがに安藤サクラの泣きの演技は絶品だった。それだけでこの映画を見る価値があった、といってもいいくらい。是枝祐和監督は、家族の映画を撮り続けているのだ…

感想・2018年・7月5日

〈後ろ指さされ組〉 今日はもう時間がない。 日付が変わるまでに、あと一時間半。 何もしたくないのだけれど、そうもいかないのが人の世で、役所に出かけたり、いろいろ煩わしいことも多い。 生きるための手続き……僕は愚図でのろまだから、人が一日で終わら…

感想・2018年7月四日

〈団塊世代の犯したエラー〉この国の政治が相変わらずであるように、日本人の性意識だって江戸時代どころか縄文時代からたいして変わっていないのではないかと思える。この社会には、そういう「伝統」というものがはたらいている。 伝統は、普遍的によいもの…

感想・2018年7月3日

<女子高生はこの社会の生贄である>近ごろは女子高生のことを「JK」といったりするらしい。 世間はまだ女子高生に関心があるのだろうか。 なんのかのといっても彼女らは、この社会のもっともラディカル(過激で本質的)な存在である。 世間で女子高生に対す…

感想・2018年7月2日

<生きていれば思想家になるしかない> 思想とは何かということをまだ考えています。 それが、 人はいかに生きるべきか、 この社会はいかにあるべきか、 というようなことを問題にするものであるのなら、よくわからないし、興味もありません。 よい人間と悪…

感想・2018年7月1日

〈思想なんかなんの役にも立たない〉思想を持たねばならない。 きっとそうなのでしょう。でもそれは、生きるための知恵とは違う。思想なんか、生きるためには、なんの役にも立たない。 もしかしたら思想をとことん追求すれば、生きるための知恵とは相反する…