2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

現代社会の閉塞感・ネアンデルタール人論42

1 「生きられないこの世のもっとも弱いもの」は、自然の摂理において生きてあることが許されていない存在であり、しかしそういう存在の仕方の尊厳というものがある。ネアンデルタール人は、そのことを最初に気づいた人類であったともいえる。そうやって彼ら…

介護の心・ネアンデルタール人論41

1 人類の「介護」という生態は、ネアンデルタール人のところから本格化してきた。そのような考古学的証拠がたくさんある。介護をされて生きていたに違いない人の骨がたくさん出土している。 それだけでももう、ネアンデルタール人について考える価値はじゅ…

「資本論」は正しいか?ネアンデルタール人論40

1 人は、「生きられないこの世のもっとも弱いもの」である老人や赤ん坊や病人や障害者の介護をして生きさせようとする。その人間的な生態は、ネアンデルタール人の時代から本格化してきた。 生きられないことの尊厳というものがある。 人は、悲劇的な生に魅…

鳥と人間・ネアンデルタール人論39

1 鳥と人間は似ている。 鳥は空を飛べるから、無力であっても比較的天敵に対する警戒心が薄い。だから、ときにあんなにも派手な色をしていても生き残ってくることができたのでしょう。 原初の人類の場合は、二本の足で立ち上がることによっていったん猿より…

介護の精紳と新自由主義・ネアンデルタール人論38

1 ネアンデルタール人がクロマニヨン人になっていっただけだ、と僕は考えています。 「集団的置換説」なんか、ほんとうにくだらない。 そのころ、ヨーロッパに移住していったアフリカ人などひとりもいない。サバンナの歴史に、そういうことをしたがるメンタ…

艱難辛苦の歴史・ネアンデルタール人論37

1 氷河期の北ヨーロッパに住み着いたネアンデルタール人の歴史は、艱難辛苦の歴史だった。それでも彼らは、その地を離れなかった。 いったいなぜか? 人類は本能的なレベルでそういう生態を持っているし、人間的な文化は、その艱難辛苦の歴史から劇的に発展…

暗喩の起源・ネアンデルタール人論36

1 自分を忘れて何かにときめき夢中になってゆく。そういう体験がなければ人は生きられない。人は、この生をたえず消去しながら生きている。「生命の尊厳」などといってもしょうがない。命のはたらきとは、命を消去することです。その新しく生まれ変わったよ…

知能の起源、あるいは基礎について・ネアンデルタール人論35

1 人類学で言葉の起源を説明するとき、知能が発達して「象徴思考」をするようになったからだといわれている。彼らはもう、人類史の文化の起源は何でもかんでも「象徴思考」という概念で説明しようとする。 つまり、りんごという言葉はりんごという意味を象…

自分の居場所・ネアンデルタール人論34

1 この世に自分の居場所などどこにもない、自分はこの世にいてはいけない存在なのではないだろうか……誰だってふとそう思うことはあるでしょう。たぶんそれが人の心の底にある人間性の自然で、生きていればいろんなことがあるし、生涯に一度もそんなふうに思…

何かの間違い・ネアンデルタール人論33

正月といっても、「今年もよろしく」と誰かにいえるような当てもなく、ますます孤立無援になってゆきそうな心地で書いています。まあ、そんな内容なのだから、しょうがない。 1 人類の知性や感性の基礎は、ネアンデルタール人によってつくられた。人が生き…