2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

都市の起源(その二十)・ネアンデルタール人論171

その二十・この生の愚劣さを受け入れる 原始的な都市集落が都市国家へと変貌してゆく段階で「家族」とか「戦争」というものが生まれてきた……これは何も僕だけの勝手な思い込みではなく、マルクス・エンゲルスをはじめとする多くの先人がいっていることだ。「…

都市の起源(その十九)・ネアンデルタール人論170

その十九・生き延びることは正義か? 1 現代人は生き延びるための「衣食住=生活=日常」に耽溺して生きようとしがちだが、人類が衣食住のことを進化発展させてきたのはそこに「非日常性」を盛り込もうとしてきたからであって、「生活=日常」に耽溺するた…

都市の起源(その十八)・ネアンデルタール人論169

その十八・サバイバル 1 古代ローマも最初はギリシャのような多神教だったが、ローマ帝国の衰退期になってから、一神教であるキリスト教を国教にしていった。そのころはすでにほとんどの民衆がキリスト教徒になっていたし、共同体の「規範=法」はキリスト…

都市の起源(その十七)・ネアンデルタール人論168

その十七・一神教と多神教 1 古事記は民衆の世界観や生命観から生まれてきた歴史物語(伝承説話)を採録したものであり、それを権力者の都合がいいように脚色していったのが日本書紀だといわれている。 古事記であれ日本書記であれ、そこにどんな史実が隠さ…

都市の起源(その十六)・ネアンデルタール人論167

その十六・「神」の起源 1 人類史における「神」という概念は、氷河期明けの、祭り賑わいを基礎にしたプリミティブな都市集落が都市国家という共同体へと発展してゆく過程で生まれてきたのではないだろうか。。 原始人は、「神」なんか知らなかった。 現在…

都市の起源(その十五)・ネアンデルタール人論166

その十五・都市生活の流儀 1 人は、人と人が他愛なくときめき合う「祭りの賑わい」がなければ生きられない。もちろんわれわれは衣食住によってこの命をつないで生きているわけだが、人間性の基礎=自然は「人と人の関係」すなわち「人が人を想う」ことにあ…

都市の起源(その十四)・ネアンデルタール人論165

その十四・人の心は揺れ動く 1 人類史の都市の起源は、ある場所で「祭りの賑わい」が豊かに生成していったことにあるのであって、生き延びるための衣食住を求めてそうした大集団を計画構想していったのではない。「祭りの賑わい」に引き寄せられて、どこか…

都市の起源(その十三)・ネアンデルタール人論164

その十三・もう死んでもいい 1 人類史の「都市」は「祭りの賑わい」から生まれてきた。集団の中の日常生活の鬱陶しさから解き放たれる「非日常の賑わい」の中で「都市という集団」になっていった。 イタリアには「ナポリを見て死ね」などという諺があるらし…

都市の起源(その十二)・ネアンデルタール人論163

その十二・水のように淡い関係の中で 1 「連携」とは、ときめき合うこと。ときめくことができてときめかれる魅力を持った人でなければ、豊かな「連携」という関係はつくれない。つまりそれは、都市的な「サービス」の文化なのだ。まあ飲み屋での会話だって…

都市の起源(その十一)・ネアンデルタール人論162

その十一・人間的な集団性の基礎としての連携 1 「どこからともなく人が集まってくる」ことによって「祭りの賑わい」が生まれる。現在のスポーツ観戦やコンサートはもちろんのこと、ものを売る商店だって、ようするにそうした人類普遍の生態の上に成り立っ…

都市の起源(その十)・ネアンデルタール人論161

その十・都市幻想 1 現在のこの国の農村の過疎化は、ひとまず、戦後社会における人口の都市流入によってもたらされた、ということになっている。 では、人々はなぜ村を捨てたのか。 戦後の最初の十年間の東京は食糧難で、村のほうが衣食住は安定していた。…

都市の起源(その九)・ネアンデルタール人論160

その九・ややこしい、どうでもいい 1 単純に考えて、「都市」とは人が密集している地域のことをいうのだろう。 人類史において、何千人とか何万人とか、そんな猿としての限度をはるかに超えた大きな地域集団が生まれてきたのは氷河期以降のことで、その集団…

都市の起源(その八)・ネアンデルタール人論159

その八・先のことなんかわからない、なりゆきまかせで生きたらいけないのか 1 胎内世界が「安定と秩序」に満たされたものであるのかどうかわからないが、ともあれ人は、そこからこの世界の「混沌」の中に投げ出されてくるのだ。そうしてその「混沌」にほん…

都市の起源(その七)・ネアンデルタール人論158

その七・秩序と混沌1 人類史における「安定と秩序」に対する志向性はいつごろからどのようにして膨らんできたのか、という問題を、われわれはどのように考えたらいいのだろう。それは、人間性の自然でもなんでもない。はじめにそんな志向性があったのなら、…

都市の起源(その六)・ネアンデルタール人論157

その六・知性とはときめきであり、混沌という反知性でもある 1 人間性の自然は、「安定と秩序」を目指すことにあるのではない。「混沌」の中に飛び込んでゆくことによって心が華やぎときめいてゆく。そうやって人類の知能が進化発展してきた。 知性とは、「…