2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

生きにくさを生きる・ネアンデルタール人論50

1 氷河期の北の果てを生きたネアンデルタール人は、人類史上もっとも生きてあることが許されない環境を生きた人々だった。彼らその地が気に入ってそこで生きようとしたのではない。気がついたらそこで生きてしまっていた。だったらもう、そこで生きてゆくし…

人間的な飛躍の心模様・ネアンデルタール人論49

1 なにはともあれネアンデルタール人が氷河期の北ヨーロッパというこの上なく苛酷な地に住み着いていったのは、人間的な「飛躍」の心模様があったからであり、その「飛躍」の心模様こそが人類史の文化の進化発展の契機になっている。 そこは、彼らにとって…

世界はぼやけている・ネアンデルタール人論48

1 ネアンデルタール人は、50万年前から北ヨーロッパという氷河期の極北の地に住み着いていた。ろくな文明を持たない歴史段階の人類が、なぜそんな生きられるはずもない地に住み着くということができたのか。 原始人は、住みよい地を求めて地球の隅々まで…

凡庸な思考・ネアンデルタール人論47

1 たとえば最近、ある若者が近所の小学生を刃物でめった切りにして殺してしまうという事件が和歌山県で起きたが、おそらく彼の心は、この社会=世界に対する不安と恐怖でそうとうに追い詰められていたはずです。それほどに彼の意識はこの世界の隅々までくま…

無能であること・ネアンデルタール人論46

1 人類史上、火とのもっとも親密な関係を結んでいたのは、氷河期の北ヨーロッパを生きたネアンデルタール人でしょう。それは暖をとるためのものであると同時に狩りの獲物を焼くためのものでもあったし、さらには洞窟の中での語らいの場における大切な舞台装…

怠惰という自然・ネアンデルタール人論45

1 この世の中には生きのびる能力を豊かに持っている人がいて、そういう人に先導されて人類の歴史は動いてきたのか? そうじゃない。 この世の中に生きのびることができない人たちがいて、その人たちと一緒に生きてゆこうとしながら歴史が動いてきた。人の心…

今どきの若者はたよりないか・ネアンデルタール人論44

1 この世の中には生きのびる能力を豊かに持っている人がいて、そういう人に先導されて人類の歴史は動いてきたのか? そうじゃない。 この世の中に生きのびることができない人たちがいて、その人たちと一緒に生きてゆこうとしながら歴史が動いてきた。人の心…

知性や感性の源泉・ネアンデルタール人論・43

1 このシリーズでは、ネアンデルタール人を通して人間とは何かということを考えようとしています。あるいは、人間とは何かということを通してネアンデルタール人の本当の姿に迫りたいとも考えています。 いま考えている問題は「意識は一点に焦点を結んでゆ…