2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

狩りの起源・ネアンデルタール人論66

1 (承前) そろそろここらで狩りの起源についての考察の締めくくりをしようかと思うのだが、うまくまとまらない、今日の記事は長くなりそうです。 原始人は、狩りを覚えながら地球の隅々まで拡散していった。それは、「食糧戦略」という問題設定で考えるべ…

肉食の起源・ネアンデルタール人論65

1 (承前) おそらく狩りに使われたであろう先の尖った石器は、北ヨーロッパの50万年前の地層から発見されている。それに対して置換説の研究者たちが「もっとも知能が発達していた」と合唱しているアフリカでは、20〜30万年くらい前の地層からしか出…

命のやり取りをするということ・ネアンデルタール人論64

1 狩猟の起源、すなわち人類はいつごろから動物の体に突き刺すことができる先の尖った石器をつくることができるようになったかという問いの答えは諸説あって、50万年くらい前からだとも2,30万年前からだともいわれている。 もしも50万年前からだと…

「今ここ」に・ネアンデルタール人論63

1 集団的置換説の代表的な提唱者であるC・ストリンガーをはじめとする今どきの人類学者たちの多くは、どうして「ネアンデルタール人は同時代のアフリカのホモ・サピエンスに比べて知能が劣っていた」と決めつけるのだろう。えらそうなことをいっても彼らは…

原始人の首飾り・ネアンデルタール人論62

1 原始人の生、すなわち人類の普遍的な生のいとなみの基礎=自然は、「未来に対する計画性」すなわち「生き延びるため」のものではない。人は、誰もがどこかしらに「もう死んでもいい」という無意識の感慨を持っている。生きてあることはそれほどにいたたま…

物々交換の起源(3)・ネアンデルタール人論61

1 「貨幣」はもともと生き延びるための道具だったのではない。人間存在の普遍的な「もう死んでもいい」という無意識の感慨から生まれてきた。 原始時代に生き延びるための物々交換という行為などなかった。自分が生き延びることなど忘れて他者にときめき他…

物々交換の起源(2)・ネアンデルタール人論60

1 たとえば氷河期の北ヨーロッパのネアンデルタール人は、その極寒の環境にいたたまれない思いをさせられながら生きていた。寒さにほんろうされているみずからの身体、すなわち生きてあることを忘れていなければ生きられなかった。であれば意識は自然にみず…

物々交換の起源(1)・ネアンデルタール人論59

1 人類の脳容量はチンパンジーの3倍くらいある。しかしだからといって人類の脳はたらきの自然というか特徴は出力が豊かで頑丈だということにあるのではなく、「省エネ」のはたらきであんがい壊れやすくもある。はたらき過ぎるとかんたんに分裂病や自閉症な…