2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

嘆きのゆくえ・神道と天皇(90)

1 解散総選挙だってさ。 僕はこの国の未来がどうあるべきかということのいかなる意見も持ち合わせていないが、さすがにこんな状況になってくると、いったいどうなってしまうのだろうという感慨はいやでも湧いてくる。 政治家はもう、なんだか右翼ばかりにな…

正義を押し付けてくれるな・神道と宗教(89)

1 現在の世界は、政治や宗教に飽き飽きしはじめている。 だって、今どきの政治や宗教など、あれこれのいざこざの種をつくっているだけなのだもの。 そのいざこざをおさめることこそ最重要の課題だというが、それによってまた新たないざこざが生まれてくるだ…

日本的な美意識・神道と天皇(88)

1 「パンとサーカス」という言葉がある。 大衆は愚かな生きものだから「パン」という物質的豊かさと「サーカス」という娯楽を求めるだけで、正義に対する信念など持っていない……というような意味らしい。 まあ、ローマ帝国はそうやって内側から腐ってゆくこ…

処女の気むずかしさと憂鬱・神道と天皇(87)

1 今をときめく「ベビーメタル」の3人の娘は、拍子抜けするくらいメタルロックのおどろおどろした呪術的な雰囲気はなく、これじゃあAKBと大した違いはない、とさえ思う。 それでもAKB以上に世界中で大うけしている。一流の演奏者による高度なメタルロック…

きよきあかきこころ・神道と天皇(86)

1 左翼も右翼も好きじゃない。 えらそうに正義・正論を振りかざされても、世の中は彼らのいう通りになるとはかぎらないし、世の中を自分の思う通りにしようとする、その権力志向のさまが鬱陶しい。日本人はいつからそんな自意識過剰の民族になってしまった…

高貴なもの・神道と天皇(85)

1 近ごろのマスコミにおける「日本万歳」のブームだって、多くの日本人が「自分は正しい」という思い込みに酔いたがっている、ということだろうか。 日本人はいつから自己批判できない民族になってしまったのだろう……という声がどこかから聞こえてきそうだ…

呪術と正義と、右翼という立場・神道と天皇(84)

1 人はかんたんに洗脳されてしまう生きものである。 だから、宗教がこの世界からなくならない。 しかしそれと同時に、すべてを疑う生きものでもある。 なぜなら、その信じている真実が、ただ洗脳されただけのものにすぎないのなら、とうぜん疑ってみようと…

日本的な死生観・神道と天皇(83)

1 日本人は、伝統的に生と死をどのようにとらえて歴史を歩んできたのだろう。 キリスト教や仏教は「天国」や「極楽浄土」や「生まれ変わり」というかたちで「死後の世界」を設定している。 それに対して神道でいう真っ暗闇の「黄泉の国」というイメージは、…

イスラム教は世界を征服するか?・神道と天皇(82)

1 22世紀になれば世界はキリスト教徒よりもイスラム教徒のほうが多くなっている、といわれている。 宗教の問題はほんとうにやっかいだ。 人類の世界に、宗教はそんなにも大切なものか。現実にあるのだから、あってもかまわないが、なければならないという…

初音ミクは侮れない・神道と天皇(81)

1 ボーカロイド「初音ミク」の登場に、僕は胸騒ぎを覚えた。それは、巫女や舞妓の伝統の延長線上で起きてきた現象かもしれない。 「初音ミク」は、究極の「処女性」をまとっている。そしてその人気は、今や世界中に広がっている。 今どきのロリータ系のマン…

ロリータと女子会・神道と天皇(80)

1 近ごろ、「女子会」という言葉が妙に目立ってきている。 「コンパ」とか「婚活」というようなことが、ちょっと野暮ったくなってきたことの反作用だろうか。男たちが今なおそれを追いかけているとしても、女たちはもう、いささか飽きてきている。 「男子会…

神という言葉をもてあそぶ・神道と天皇(79)

1 僕は、ひとつのことを一直線に掘り進んでゆくということがどうも苦手らしい。 どうしても考えることの筋道が右往左往してしまう。 まあ、日本人だから仕方ないということもあるのだろうか。 ほんとうは、原初の天皇は舞の名手としての巫女(=思春期の少…

他愛なさの集団性・神道と天皇(78)

1 人は先験的に「関係」の中に置かれている存在であり、人の「集団性」という問題は、いろんなことを考えさせられる。 日本人は集団主義か個人主義かというような問題設定なんてナンセンスだ。人間なら誰だって集団性と個人性の両方のメンタリティを持って…