2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧
1 クロマニヨンの洞窟壁画が生まれてくる基礎は、絵画技法の問題としてはネアンデルタール人のメンタリティや文化にあるのであって、アフリカのホモ・サピエンスの感性の延長上にあるのではない。 絵を描いたり埋葬をしたりすることも「象徴化の知能」から…
1 ネアンデルタール人によって人間的な文化の基礎がつくられた。 このことについて考えるなら、「人間は言葉を話す存在である」という問題はひとまず避けて通れない。人類学では、その起源の契機を、「象徴化の思考(知能)を持ったことにある」という言い…
1 20〜15万年前にアフリカ中央部で発生したホモ・サピエンス。 ヨーロッパの先住民であるネアンデルタール人。 「多地域進化説」は、世界中すべての先住民がそのまま進化していっただけだといい、一方「集団的置換説」は、アフリカのホモ・サピエンスが…
1 現在語られている人類史のほとんどは、世に流通する下部構造決定論や労働史観などに洗脳されて、人類は生きのびるためにどのような生産活動をしてきたか、という問題意識の説明ばかりです。 生き物は生きようとする存在である……という認識が当然のように…
1 ネアンデルタール人の社会では人と人が豊かにときめき合っており、それがそのまま集団のダイナミズムを生み、さらには地域社会の交流に発展し、その勢いでヨーロッパ全域に遺伝子と文化がたちまち広がり共有されていた。 彼らは、そのような社会をつくろ…
1 人間性のなんたるかを問おうとするなら、なんといっても人と人は語り合う存在であるということは考えないわけにゆきません。 人類の「語り合う」という関係性は、ひとまずネアンデルタール人のところで確立された。彼らは、毎晩、焚き火を囲みながらみん…
1 ネアンデルタール人は滅んでなどいない。人類学者の妙なこじ付けでそういうことになってしまっているだけです。ネアンデルタール人論とはつまり、起源論です。ここから人類の文化や文明の歴史がはじまっているともいえる。 人類の言葉はもう数百万年の歴…
1 ネアンデルタール人は、氷河期の北ヨーロッパという苛酷な環境に住み着いていた。そこはもう、現在のシベリアやアラスカよりももっと寒いところだった。 ろくな文明も持たない原始人の身で、なぜそんなところに住み着いたのか? べつに住み着きたかったわ…
1 人は、歴史意識で生きている。これもまた、人類最初に埋葬という行為をはじめたネアンデルタール人の遺産です。 人類史において知能が発達すれば埋葬をするようになるとか、そんなものじゃない。死者を思う心の切実さは、知能の問題じゃない。定住生活を…
1 ネアンデルタール人の文化は、人類共通の遺産です。われわれの思考や行動の基層がそこにある。 でも、この国の研究者やジャーナリストのネアンデルタール論はそんなことは何も語ってくれない。彼らにとってはアフリカのホモ・サピエンスこそ人類の基層で…