2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

閑話休題・原節子の死

原節子が死んだ。 日本中に静かな、ほんとに静かな衝撃が走った。 その日の新聞の社説はすべて原節子の死を扱っていた。 事実としては、ある女がこの世界の片隅でひっそりと死んでいったというだけの話で、べつに現在の日本人の誰もがそのことに大きく心を動…

愚かなものたち・ネアンデルタール人論105

1 数万年前のアフリカのホモ・サピエンスとヨーロッパのネアンデルタール人とではどちらの方に言葉が発達する契機が豊かにあったかといえば、より生きられない環境を生きていたネアンデルタール社会の方にあったはずだ。といってもそれは「生き延びるための…

「飛鳥(あすか)」の語源・ネアンデルタール人論104

1 話が横道にそれてしまっているが、そのついでの話をもうひとつ書き加えておこうと思うのだが、今回の記事は長くなってしまいそうです。僕としても、胸の中にたまりにたまっていることがあるわけで。 「語源」のことは多くの人が気になるところだが、文字…

なんとなくの感触・ネアンデルタール人論・103

1 「人の心は言葉でものを考えている」などといわれる。 じゃあ、言葉を知らない人は何も考えないのか。少しの言葉しか知らない人は、少しのことしか考えないのか。たくさんの言葉を知っている人はたくさん考えているのか。 そうじゃない。 人は言葉でこの…

秘すれば花・ネアンデルタール人論102

1 5万年前のヨーロッパのネアンデルタール人とアフリカのホモ・サピエンスとどちらの知能が発達していたかという問題を、どちらの社会で言葉が発達していたかということで語られることも多い。もちろん、そのとき多くのアフリカ人がヨーロッパにやってきて…

官能性の問題・ネアンデルタール人論・101

1 原始人が生きられるはずのない氷河期の北ヨーロッパに置かれたネアンデルタール人を生き残らせたもっとも大きな要因は、セックスにある。彼らの生は死と背中合わせで、人がかんたんに死んでゆく社会だった。とくに生まれた子供の半数以上が大人になる前に…