2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

女を追いかける・源氏物語の男と女6

1 源氏物語は、吉本隆明がいうような「光源氏の近親相姦願望の物語」とか「自然との調和と和解の物語」でもない。 吉本の個人的な観念世界に押し込めてそのように決め付けているだけのこと。 また、源氏物語はすでに近代文学のレベルに達しているといっても…

もののあはれ・源氏物語の男と女5

1 源氏物語の世界だけでなく、普遍的に女は「もののけ」を意識している存在であるのでしょう。 「もの」とは「まとわりつく」というニュアンスの言葉です。女にとってはもう、生きてあるというそのことが、まとわりついてくる鬱陶しい「もの」になっている…

もののけ・源氏物語の男と女4

1 源氏物語の女たちはもう、男も世の中も何より自分が生きてあるということそれ自体を拒否するように衰弱していった。 それはたぶん、世界中の女の普遍的な無意識であるはずです。 しかし、なぜそんなにもかんたんに心と体が連動するようにして衰弱してゆか…

雨夜の品定め・源氏物語の男と女3

1 雨の夜の退屈まぎれに貴族の男たちが集まって女談義をする。物語のはじまりのこの場面で作者は、最上層の貴族の女よりもその下の階層の女、すなわち「中の品」の女がいちばんだとある男に語らせています。そういう女のほうが、貴族のただおっとりしている…

男を拒絶する・源氏物語の男と女2

メールのページがうまく開けなくなってしまいました。 とりあえず、ここのコメント欄に返信を書かせていただきます。ごめんなさい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 源氏物語に登場してくる…

色好み・源氏物語の男と女1

1 ここでいう「女のかなしみ」とは、女の心はどこかしらで生きてあることからはぐれてしまっているということで、ナルシズムとかセンチメンタルとか、そういうニュアンスではないつもりです。まあ、男にとっては、女の心の謎の部分のことです。もしかしたら…

女のかなしみ・ここだけの女性論12

1 「かなしみ」という言葉は、とても気になります。 女は、男よりも深く「かなしみ」を知っている。 かなしみとは何かということが、男にはよくわからない。知っているつもりの男も少なからずいるらしいが、僕にはわからない。 女の心は、どこかで男を置き…

女は出家する・ここだけの女性論11

1 日本列島の男と女の関係の歴史は、世のフェミニストたちがいうほど女にとって不幸な歴史だったとは思えません。むしろその歴史は、女の感性に引きずられながら流れてきたのではないのかというようなかたちを持っています。「あはれ」とか「はかなし」とか…

「タガメ女」だって?・ここだけの女性論10

1 専業主婦の座を狙って男をつかまえにかかる、いまどきの強欲な女のことを「タガメ女」だというのだそうです。 タガメとは、田んぼの蛙をつかまえて血を吸い尽くしてしまう黒くて大きな昆虫のことです。 いまや、大きな企業の独身男性や亭主たちが次々に「…

「いい女」の怨霊・ここだけの女性論9

1 生き物になぜ雌雄があるのかということはよく考えます。 僕は、女を「メス」として見ているのかもしれません。 自分だってただの「オス」です。 人間は、アメーバのようなオスもメスもない生き物ではない。 雌雄を持つ生き物だからこそ、人と人は違うと思…

気がすんだ・ここだけの女性論8

1 井原西鶴の小説に「雲隠れ」という作品があります。 ある大店の若旦那が、吉原で遊びまくったあげくに身上をつぶして町からいなくなってしまう。数年後、昔の遊び仲間が偶然別の町で出会ったとき、若旦那は貧乏長屋のわび住まいで、売れっ子の花魁だった…

原節子・今どきの女性論7

1 いまどきはサッカーで「なでしこジャパン」といわれたりして、大和撫子(やまとなでしこ)という言葉の意味合いも少し変わってきているのでしょうか。 世界中女は女だけど、よその国の女と日本人の女の違いというのもあるらしく、それはもう、女自身がそ…

女たちのサバイバル・ここだけの女性論6

1 女たちが「いい女」になることを競争する時代になってきた。 「いい女」になれば、いい男をつかまえられるし、会社に入って仕事をするにもそれが武器になる。 昔はそうやって男たちが競争し、そのための「男性論」がたくさん出回っていました。 今、一周…