2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧
1 現在はもう、バブルのように上昇志向をたぎらせて生きてゆける時代ではないらしい。 この社会全体が「閉塞感」に覆われているなどとも言われている。 そりゃあ、上昇志向をたぎらせようとしても先が見えないで閉塞感に陥ってしまう状況は一部にあるかもし…
1 日本人が外来文化にすぐ飛びついてゆくのは、内田樹先生が語るように「辺境意識の文化的劣等感で世界標準にキャッチアップしようとしている」とか、そんないじましい目的意識=上昇志向によるのではない。 ただもう、新しくめずらしいものに対する興味を…
1 現在、時代は変わりつつあるのか。 さしあたって、戦争に負けてよその国に侵略されるような劇的な変化はないだろう。時代が変わるということがそういうことであるなら、時代はそうかんたんには変わらない。 日本列島は、このような変化を、氷河期明けに大…
1 最近になって、「婚活」という言葉が広く流通するようになってきた。 これは、非婚化の流れが止まった兆候だというわけでもあるまい。 結婚する気のない男女がたくさんいる世の中だからこそ、結婚したくてもできない男女も生まれてくる。 まあ、いい条件…
1 いったいなぜ若者たちが結婚しなくなってきたのか。 戦後の一時期に隆盛を極めたテレビのホームドラマの神通力が衰退していったことと歩調を合わせるようにそうなってきた。 戦後十数年たったころからテレビが普及してきてアメリカのホームドラマが次々に…
1 現在は、「ミーイズム」ということがよくいわれる時代であるらしい。 そんなこともないと思えるのだが、若者たちは誰もが自分の世界に閉じこもりたがる、などという。 しかしそれは、人に対して興味がないというのではなく、必要以上に密着した関係になる…
1 戦後の時代様相には、やはり「戦争の時代が終わった」という気分が大きく作用していたのだろう。 もちろん局地的な戦争はその後もずっと続いてきたのだが、あの世界的な大戦争が終わったことの安堵と虚脱感は、ひとまず世界中が共有していた。 そして敗戦…
1 キリスト教だろうと仏教だろうと、「普遍性」を持っていたから世界中に広まっていったのではない。逆に、「ドメスティックな細部」を強調することによって人の心に共鳴現象を起こして広まっていったのだ。伝説・嘘・デマゴーグ、そういうドメスティックな…
1 人と人の心が共鳴現象を起こして集団ヒステリーの騒ぎになることはいつの時代にもある。現在でも、ツイッターやフェイスブックなどのネット情報が火元になって社会的に大きな騒ぎに発展したりする。つまり、時代に踊らされやすい心がそういう現象を生み出…
1 戦後のこの国は、団塊世代に代表されるような「頭でっかちで妙にアクティブで騒々しい」人間をたくさん生みだした。 それは、人を説得・支配しにかかる態度である。 僕だってまぎれもなく団塊世代のひとりであるから、ときどきそんな態度をとってしまうこ…
1 僕は社会学者ではないから、「時代はこんなふうに変わってゆきますよ」と予言する能力なんかない。 人はどんなふうに時代とかかわってゆくのだろう?という問いがあるだけだ。 なんのかのといっても、誰もが時代とかかわって生きている。 社会学者が、冷…
1 これはボブ・ディランの歌のタイトルだが、戦後日本は、ずっとこのような議論をし続けてきて、今なお盛んである。「時代を読む」というようなテーマの本は次々に出版されているし、まあテレビや新聞は、そういう情報を提供する媒体なのだろう。 人々は、…
1 愛されたがっているのは、それほどに不安だということだろうか。 愛されているに決まっていると思えば、そんな心配などする必要がない。 人間なんて、もともと愛し合って存在している生き物だ。いまさらどうして愛されたがるのか。 愛は大切である、とか…
1 「羞恥心」とは、命のはたらきの根源としてのこの生やこの世界に対する「とまどい」であり、「なんだろう?」と問う心の動きである。そこから今どきのあっけらかんとしたギャルの「かわいい」という反応が生まれてくるし、それはまた本格的な学者や芸術家…