2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人類が直立二足歩行をはじめたのは700万年前だといわれている。 しかし、そこからすぐに進化をはじめたのではない。最初の3、4百万年は、猿と同じ脳みそしか持っていなかったし、体の大きさも、今のチンパンジーとそう変わりはなかった。 この空白の数百…

人類が生まれたのが孤立した豊かな森だったとしたら、四方を海に囲まれた縄文時代の日本列島もまた、いわば孤立した豊かな森だった。 縄文人はそのころ世界でもっとも進んだ石器を使っていたが、ことばも含めたそういう文化を、もっともプリミティブなメンタ…

みんなとはいわないが、一部の分子生物学者が提出する人類学の仮説がいかにくだらないかということの象徴的な例が「ミトコンドリア・イブ」という説だ。 現在のアフリカ以外の地域の人間のすべて遺伝子は15万年前にアフリカを出た一人のアフリカ人女性の遺…

アフリカで誕生した人類がアフリカの外まで拡散していったのは、200万年くらい前からのことらしい。 最初の人類は、中央アフリカのサバンナの中に点在する森のひとつから生まれた。 ひとまずそれを、700万年前としよう。 そのころ森は、木の実などの食…

類人猿における直立二足歩行の常態化という事態は、豊かな孤立した森から生まれてきた。 700万年前の骨の化石には、すでに直立二足歩行を常態化させていた痕跡が見られるのだとか。 そのときすでに常態化させていたとすれば、そこではじまったということ…

何はともあれ、類人猿が直立二足歩行を常態化してそれが長く習性化するということは、地球の歴史でたった一回だけ起きたのであり、それは地球気候の変動にともなう環境の変化と連動した、まさに偶然の出来事だった。 そのとき当事者の類人猿は、限度を超えて…

類人猿が地球上に現れたのは、2500万年くらい前のことだろうといわれている。 そのころ地球気候が乾燥化して、アフリカにはサバンナ(草原)が広がり、森の動物とサバンナの動物の棲み分けが起きてきた。 そういう環境のもとで、森の動物である猿の仲間…

原初の人類が直立二足歩行を常態化させていったのには、何か契機となる「苦労」があったのだろう。 「淘汰圧」などといわれても、ぴんとこない。「苦労」といったほうがしっくりくる。そのとき何かしんどい思いがあったのだ。「因果論」というより「何かのは…

猿にとって直立二足歩行を常態化することはけっしてむずかしい技術ではないが、絶対にそうしようとしない。 この世にたくさんの猿がいる中で、人間だけがそうしてしまった。だから研究者たちは、そうしようとする「欲望=目的」があったとか、それが可能な技…

今日からこのような古人類学のモチーフで書いてゆこうと決めました。 そして、ネアンデルタールを経て1万3千年前の氷河期明けまでたどり着きたいと思っているのだけれど、どうなることやら。 いつもの調子の見切り発車で、行き当たりばったりの成り行きで…

やまとことばと原始言語 48・ささげる

つまり、このことばにたどり着きたくてここまであれこれ試行錯誤してきたのだけれど、いっこうに近づいてゆけないし、ますます先が見えないようなさまにもなってきた。 だからもう、無理やりこの最後のことばを出してしまうことにした。 ことばは、あなたと…

やまとことばと原始言語 47・なにかのまちがい

人間は、死ぬまで「自分」をもてあまして生きていかないといけないのだろうか。 うまく処理している人もいるのだろうが、だめなやつは死ぬまでだめなのだ。 また、処理すればいい、というものでもない。 人間は、解決不能な問題に憑依する。憑依することの恍…

やまとことばと原始言語 46・人間の自然と脳の自然

原始人は迷信深かったか。 たとえば、映画でニューギニアやアマゾン奥地の未開人を描写するとき、よく奇妙奇天烈な儀式のシーンが出てくる。 そして文化人類学の研究者は、そういう風習を調べれば人類の歴史のあけぼののことがわかるという。 しかし現代人の…