2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

よくわからない・神道と天皇(77)

1 日本列島は世界的に見ても観光資源が豊富だが、そのわりに外国人観光客の数は多くない。それは、彼らを受け入れる環境が整っていないということがあるらしい。旅館やホテルにしても、おもに国内の観光客(団体客)ばかりを相手にしてきて、物心両面で外国…

他愛なさの集団性・神道と天皇(76)

1 近ごろは、靖国神社が、少女たちのコスプレファッションの聖地のひとつになっているらしい。 まあその前からそこは「パワースポット」として有名になっており、戦死者の「英霊=霊魂」が濃密に漂っているという噂がすでに定着している。 コスプレとは非日…

東京の集団性にだって伝統的な洗練はある・神道と天皇(75)

1 東京の観光地といえば、原宿・渋谷・新宿・銀座・浅草といったところだろうか。 はじめて日本列島にやってきた外国人はまず、文化の多様性に驚く。その「混沌」に驚く。「秩序=神の裁き」の上に成り立った国で暮らす彼らは、「混沌」そのものが魅力的な…

まとまらない会議・神道と天皇(74)

1 近ごろの右翼系論客のひとりであるらしいある評論家が、自分のブログで『日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな』というタイトルの記事を書いていた。つまり、そんなことに頑張っても国レベルではたいした経済効果にもならないし、もっと日本人とし…

日本的な・神道と天皇(73)

1 人類集団におけるもっとも普遍的本質的なカリスマとは、どんな対象だろうか。 「神」ではない。それは絶対的な存在として上から下りてくる存在であって、こちらから憧れてゆく対象ではない。 いつの時代も人は、神に裁いてもらったり救ってもらったりして…

戦争がやめられない集団性・神道と天皇(72)

1 「奈良盆地最初の大和朝廷は九州・中国地方の豪族による連立政権として生まれてきた」だなんて、僕からしたら、中学生の昼休みの雑談じゃあるまいし何をふざけたことをいっているのだろうと思うばかりだが、世間ではそれがほとんど通説のようになっている…

洗練された集団性・神道と天皇(71)

1 天皇の存在は、日本人の集団性と分かちがたく結びついている。 だからといって、天皇制を大切にせよ、というつもりはない。僕は、むやみな天皇賛美も天皇制反対も好きではない。天皇(制)とは何かという問題はあっても、天皇制をどうするべきかという問…

日本人としての誇りは必要か?・神道と天皇(70)

1 日本人の信号を守るとかごみを散らかさないというような集団性を、初めて日本にやってきた外国人が感心するそうなのだが、これを「規律正しさ」という言葉で片付けてもらっては困る。 日本人の規律意識は薄い。信号を守ることもごみを散らかさないことも…

日本人の集団性・神道と天皇(69)

1 この文明社会から宗教がなくなることはないだろうし、宗教を特権化したがる観念的風潮は今なお安泰だ。 宗教なんか人間性の自然でも本質でもないのに、それでもわれわれ文明人は、多かれ少なかれ宗教的であるほかない生を余儀なくされている。 宗教の歴史…

民俗学の視点で・神道と天皇(68)

1 オカルトなんかろくでもないといっても、それにのめり込んでいる人たちはそれが楽しくてしょうがないのだろうし、のめり込んだもの勝ちだということもある。 どうせ一回きりの人生だ。のめり込んで生きるに越したことはない、ともいえる。べつにそれなら…

葬送儀礼は宗教か?・神道と天皇(67)

1 世の歴史家は、なぜあんなにもかんたんに「原始時代には原始宗教(アニミズム)があった」と決めつけてしまうのだろう。 ひとつは、原始時代から死者を葬る(埋葬)ことをしていたということがあるからだろうか。まあ普通に考えればそれは宗教的な行為だ…