2018-01-01から1年間の記事一覧

感想・2018年7月13日

<嘆く> 僕は社会不適合者でおまけに若くないから、外に出るとものすごく疲れる。暑さのせいもあって、もう疲れ果てる。夕飯を食べると、すぐ眠くなってしまう。ひきこもりと一緒、そうして夜中に起きだしてごそごそしはじめる。 それはともかくとして、 ………

感想・2018年7月12日

<脱・表層批評宣言> 蓮実重彦の『表層批評宣言』は1980年代の「ニューアカブーム」のころに評判になっていた本で、これによって彼はブームの先導者のひとりに祀り上げられていました。 フランス帰りの気鋭の批評家にして東大助教授、ということで、け…

感想・2018年7月10日

<災害列島> 今回の集中豪雨で200人近い死者が出たらしい。 大災害にちがいない。 とはいえ当事者ではないのだから、どんな感想を書けばいいのかよくわからない。 とにかく大災害で、死んだ人や怪我をした人だけでなく、それ以上のたくさんの人たちがこ…

感想・2018年7月9日

<歴史の記憶> 人の心は安きに流れる。 人は本性においてなまけものである。 それはまあそうだが、誰もが安楽に生きられるわけではないし、安楽でなければならないというわけでもないし、それがいちばんだともいえない。 人は水の中では生きられない生きも…

感想・2018年7月8日

<試論・ネアンデルタール人はほんとうに滅んだのか> いま『ネアンデルタール人論』の電子書籍を出そうと準備しているのだけれど、なかなか進みません。 ネアンデルタール人のことならもう原稿用紙5000枚分以上は書いているのだけれど、そこから500…

感想・2018年7月7日

<情交と性交> 日本人よりも、たぶん西洋人のほうがずっと家族を大切にする。 一般的には、日本人は集団的で西洋人は個人的だとよくいわれるが、われわれには彼らほどの愛国心も公共心もない。 日本列島の愛国心なんか明治以来のたかだか150年の歴史だし…

感想・2018年7月6日

〈家族のかなしみ、かなしみの家族〉 近ごろ評判の「万引き家族」という映画を見てきました。 さすがに安藤サクラの泣きの演技は絶品だった。それだけでこの映画を見る価値があった、といってもいいくらい。是枝祐和監督は、家族の映画を撮り続けているのだ…

感想・2018年・7月5日

〈後ろ指さされ組〉 今日はもう時間がない。 日付が変わるまでに、あと一時間半。 何もしたくないのだけれど、そうもいかないのが人の世で、役所に出かけたり、いろいろ煩わしいことも多い。 生きるための手続き……僕は愚図でのろまだから、人が一日で終わら…

感想・2018年7月四日

〈団塊世代の犯したエラー〉この国の政治が相変わらずであるように、日本人の性意識だって江戸時代どころか縄文時代からたいして変わっていないのではないかと思える。この社会には、そういう「伝統」というものがはたらいている。 伝統は、普遍的によいもの…

感想・2018年7月3日

<女子高生はこの社会の生贄である>近ごろは女子高生のことを「JK」といったりするらしい。 世間はまだ女子高生に関心があるのだろうか。 なんのかのといっても彼女らは、この社会のもっともラディカル(過激で本質的)な存在である。 世間で女子高生に対す…

感想・2018年7月2日

<生きていれば思想家になるしかない> 思想とは何かということをまだ考えています。 それが、 人はいかに生きるべきか、 この社会はいかにあるべきか、 というようなことを問題にするものであるのなら、よくわからないし、興味もありません。 よい人間と悪…

感想・2018年7月1日

〈思想なんかなんの役にも立たない〉思想を持たねばならない。 きっとそうなのでしょう。でもそれは、生きるための知恵とは違う。思想なんか、生きるためには、なんの役にも立たない。 もしかしたら思想をとことん追求すれば、生きるための知恵とは相反する…

感想・2018年6月30日

<異次元の世界に遊ぶ> ある人が、生きるのはめんどうくさい、といっていました。 まったく生きることなんか、めんどうくさいばかりです。 それでも生きてしまうのは、世界が輝いているからだ。 生きねばならないわけでも生きたいわけでもないのに、それで…

感想・2018年6月29日

<これでいいじゃないか> ついでにもうひとつワールドカップサッカーの話。 日本対ポーランド戦、多くの人が最低の試合だったと評していた。 一点差で負けておけば決勝トーナメントに出られるということで、攻めることをやめてずっと自陣でボールを回し続け…

感想・2018年6月28日

……ドイツの涙…… ドイツが韓国に負けた。 サッカーワールドカップの話です。 最後のロスタイムに入って敗色濃厚になったそのとき、テレビの画面に観客席の若い女性の顔がアップで映された。ドイツからやってきたサポーターらしい。その頬にはドイツ国旗がペイ…

感想・2018年6月27日

「思想とは何か」街を行く知らない人はみな美しい。顔も見たことのない人はさらに美しく、そんな人がこの世のどこかに生きていることを思うのは、ひとつの希望にも慰めにもなる。 原初の人類は、他者の身体とのあいだに「空間=すきま」をつくろうとして二本…

感想・2018年6月26日

「人生の不始末」この二か月間、パソコンの編集画面にコメントが入ったことの表示が出なくなっていて、せっかくいただいたコメントに返信することを怠っていました。 はたちの無能さま 井の中のカメさま Hifumin36さま 本当にごめんなさい。せっかくいただ…

感想・2018年6月25日

「神道と天皇」というシリーズは、ひとまず休止します。 老い先短いことでもあるし、ここらで今までここに書いてきたものを「電子書籍」にしようと思い立ちました。 書きためたものはいくらでもあるし、その気になればすぐに何冊でもつくれるだろうと思った…

美しい庭園・神道と天皇(167)

1 一神教か多神教かという比較がよくなされる。ただひとつの神か、それともたくさんの神を信じるか。 一神教の神はこの世界(宇宙)のすべてをつくった存在で、多神教の場合は太陽をつくった神とか山をつくった神と海をつくった神とかいろいろ分かれている…

「超越的」ということ・神道と天皇(166)

1 今どきの政治家や官僚が嘘をほんとうのように言いくるめてくる態度はとても不愉快だし、それでいいのだと応援している一部の右翼勢力もいる。そしてこれは、宗教者と非宗教者、権力者と民衆との対比でもある。 権力志向が強いから、そういう卑劣なことが…

今どきの右翼は「やまとごころ」を知らなすぎる・神道と天皇(165

1 世の歴史家はどうして「原始社会は原始宗教(アニミズム)の上に成り立っていた」と決めつけるのだろう。つまり、原始人は迷信深かった、と。 迷信を信じるためには、この世界は何者かの作為や陰謀がはたらいている、ということが信じられていなければな…

千年の過去と千年の未来と・神道と天皇(163)

1 西洋社会における生の規範は、「神の教え=裁き」の上に成り立っている。だから西洋では「倫理学」というようなものが発達したわけだが、信仰心が薄い日本列島にはそういう絶対的な基準・規範はない。しかし、何もないというわけでもない。何もないまま大…

貨幣と資本主義と人間性・神道と天皇(162)

1 現在の社会情勢をあらわすのに「ポピュリズム」とか「反知性主義」というような言葉はあまり適切ではないのかもしれない。平たくいえばそうやって「頭が悪い」とか「偏差値が低い」というようなことを批判しているのだろうが、現在の世の中がおかしくなっ…

非合理なもの・神道と天皇(161)

1 ポピュリズム(=反知性主義)がダメだといっても、今どきのインテリのいったい誰が信用できるというのか。左翼のインテリも右翼のインテリも、いまいちピンとこない。僕は、日本列島の下層の民衆として、政治意識に目覚めるということ自体に拒否反応があ…

下流思考宣言、あるいは反知性主義宣言・神道と天皇(160)

1 僕は、政治経済であれ、学問芸術であれ、この世界の上流の動きにはあまり興味がない。下流の民衆の思考や行動が気になるだけだし、そこのところを歴史の真実として掬い取りたいと試みている。そこのところの動向がこの国全体の歴史の流れを生み出してきた…

時代の嘆き、嘆きの時代・神道と天皇(159)

1 はっきり言って、僕はダメ人間です。普通のことを普通にするということができない。どうしてもできない。居直るつもりはないけど、だめになってしまうことにも人間性の自然はあるわけで、世の中の人の全員がちゃんとした人間になれるはずがない。それは、…

自意識と宗教・神道と天皇(158)

1 偏見を承知であえていわせていただくなら、宗教者なんかみな自意識過剰の俗物さ、と思わないでもない。 とはいえ、宗教とは何か、ということの定義も、けっしてかんたんではない。 世間ではよく「ほんものの宗教」と「にせものの宗教」というような分け方…

散華の思想は美しいか・神道と天皇(157)

1 市民政治、などという。 民主主義とは、市民が主体の政治、ということだろうか。 しかしこの世の中には、「市民」であることから脱落しているものたちが少なからずいるし、「俺は市民じゃないよ」とやさぐれて格好つけているものだっている。 弱いもの、…

美しい人・神道と天皇(156)

1 仏教伝来以前の日本列島に、呪術=アニミズムの歴史などなかった。これはもう、何度でもいいたい。縄文・弥生時代の社会が原始宗教(アニミズム)の上に成り立っていたという歴史解釈なんか信じない。 日本人がいかに宗教心の薄い民族かということは誰も…

女の中の無常感・神道と天皇(155)

1 秋葉原通り魔事件の加藤君は、どんな娘を彼女にしたいのかと男友達に問われ、「巫女姿が似合う子がいい」と答えたのだとか。それは日本列島の伝統を考える上でとても示唆的で、ここでは、天皇の起源は「巫女」である、という問題設定で思考実験を続けてい…