2018-01-01から1年間の記事一覧

感想・2018年9月1日

<疚しさ> 僕にとって批評とは、この世界に対して「異議申し立て」をすることにある。 この世界の正しいことに対して、「それは違う」といいたくなってしまう。 正しいことが悪を裁くのなら、僕は「この世のすべては許されている」といいたい。 生き延びる…

感想・2018年8月31日

<終わらない戦後> 日本人は、反省するのが下手な民族である。 反省はしないが、腹を切る。そうやって許してもらうのではなく、水に流してもらう。忘れてもらう。 反省しない文化。もともと「神の裁き」というものがない土地柄だから、善とか悪ということが…

感想・2018年8月28日

<時代> その人の一生を支配している人格は、おおむね幼児期の通過の仕方、思春期の通過の仕方によって決定されているらしい。 過ぎてしまった時間はもう戻らない。今さら、ああであったらとかこうであったらといってもはじまらない。 自分は貧乏の家の生ま…

感想・2018年8月26日

<空想の左翼> 2016年は、『シン・ゴジラ』と『君の名は。』が大ヒットした年だった。 この二つはひとまず「3・11の大震災を総括した映画」としてひとくくりに評価されたのだが、その思想というか物語性において対照的な面を持っている。 『シン・ゴ…

感想・2018年8月23日

<時代の忘れもの> われわれの時代がどのようにして未来に向かうかという問題は、われわれの時代の「忘れもの」は何か、という問題でもある。そのことをちゃんと確認しておかないと、出かけられない。 秋葉原通り魔事件は人々に大きな驚きを与える悲惨な出…

感想・2018年8月22日

<世界の終わり> 大阪桐蔭が優勝した。 去年の夏の甲子園では、開会式のときにプラカードを持つ女子高校生が熱中症で倒れ、今年は去年以上に苛酷な炎天下の大会になり、観客の中にも熱中症になる人が続出した。 で、マスコミのインテリたちのあいだでは「夏…

感想・2018年8月20日

<芸能の起源> AKBというのは、どうしてこんなに人気があるのだろう。 僕は、AKBそのものよりも、ファンの心理のほうに興味がある。 最近はAKB系列の「欅坂46」というグループにも人気が集まっているらしいが、こちらは、たんなるかわいいだけの…

感想・2018年8月17日

<新しい時代> バブル崩壊後の「失われた二十年」は、「民衆文化=ポップカルチャー」にとっては、けっして不幸な時代だったともいえない。現在の「ジャパンクール」と呼ばれる文化現象のほとんどは、この時代に花開いていった。 それは、敗戦直後の困窮を…

感想・2018年8月16日

<隠れているもの> 初音ミクとAKB48のアイドル性の違いというのは大いにある。 AKBは、「総選挙」という恒例のイベントがあるくらいで、ファンどうしもメンバーどうしもそれぞれ競争している。それは、「新自由主義」とか「グローバリズム」という…

感想・2018年8月14日

<背理的> 「背理的、あるいは人類滅亡論的批評宣言」……というタイトルの文章が書きたいと思っています。 まだ書いていないし、これから書くことがあるかどうかもわかりません。 ただなんとなく、そう思っているだけです。 でも、僕が考えること書くことは…

感想・2018年8月13日

<新しい思想> 初音ミクは、AKBほどの世間やマスコミを大騒がせさせるほどの現象になったことはない。そういう意味で、初音ミクの流行はまだ来ていないともいえるし、来ることはないだろうともいえる。なぜならそれが世間的な流行になるためには、ある超…

感想・2018年8月10日

<平成という時代(1)> 天皇の生前退位とともに平成という時代が終わろうとしている。 それは、戦後復興の輝かしい?到達点としてのバブル経済の絶頂期にはじまり、はじまったとたんにその泡がはじけてしまった。 虚勢を張ったカエルの腹が破裂してしまっ…

感想・2018年8月8日

<言葉についての覚え書きⅡ> 承前 日本列島はユーラシア大陸の東の果てだったし、ヨーロッパは西の果てだ。だから、人類拡散の行き止まりの地としての集団性をはじめとするメンタリティが似ている部分を持っている。ともに、言葉によって人と人の親密な関係…

感想・2018年8月7日

<言葉についての覚え書き> まあ、「リンゴ」といえば、ひとまず権力者にとってもインテリにとっても名もない民衆にとっても「リンゴ」であり、言葉は、すべての人々のあいだから「語らいの華やぎ」を生み出す機能を基本的にそなえている。 言葉そのものに…

感想・2018年8月5日

<細部の華やぎ> 僕は、自分が書いたものを読み返すのがとても苦痛な性分で、電子書籍を出そうと思い立って毎日推敲をしているのだけれど、遅々として進まない、 それに、読み返すと、書き足したいことや書き直したいことがどんどん出てくる。 とりあえず2…

感想・2018年8月4日

<時代> 僕は時代に背を向けて生きてきた人間だから、時代のことはよくわからない。 若いころからよくわからなかった。 時代のことが気にならないというのではない。誰だって時代の負荷を受けているのだから、知らんぷりしたままでは生きられない。 あのこ…

感想・2018年8月3日

<情交> LGBTという言葉を、このごろよく聞く。 「性的マイノリティ」という意味らしい。 ホモとかレズビアンとか性同一性障害とか。まあ母子家庭だって、広い意味で性的マイノリティといえるのかもしれない。 LGBTを差別するな、LGBTにも生き…

感想・2018年8月1日

<家族という価値> 世間ではよく「地に足がついた生き方をしろ」という。 しかし、そんなふうに固定化された思考や行動ばかりしていたら、誰だって飽きてくるだろう。心は、そのようにして澱んでゆく。確固たる主義主張や信念を持って生きるといっても、そ…

感想・2018年7月31日

<女の絶望> 男は、女が持っているかなしみの深さに、どうしてもたどり着けない。 古語の「おみな」の「み」は、「実」「身」「見る」で、「やわらかさ」とか「本質」とか「認識」というようなニュアンスをあらわし、「な」は、「慣れる」「なつく」「なじ…

感想・2018年7月29日

<人生の忘れもの> 昨日は台風でちょっと寒いくらいだったが、今日はとても暑い。 これは、たんなる時候のあいさつ。 毎日の日付をタイトルにしているのだが、どうも日記風のことは書けない。社会不適合者には、それはどうにも荷が重い。 このところ、毎日…

感想・2018年7月27日

<不幸のかなしみ> この広い世の中には不幸な夫婦関係の中に置かれている女はいくらでもいる。 そこで別れようと別れるまいと、その不幸のかなしみによって輝きが増す女もいれば、くすんだり歪んでしまったりする女もいる。 人間とはもともと「不幸のかなし…

感想・2018年7月26日

<ミツバチの孤独> ハイデッガーは「言葉は存在の家である」といった。 それに対して吉本隆明は、「言葉の本質は<沈黙>にある」といった。 つまりハイデッガーは、「言葉は自分という存在の中にあるのではなく、自分の外で自分を取り囲むようにして生成し…

2018年7月24日

<不幸について考える、ちょっとだけ> 先日、母子家庭の貧困のことについてちょっと書いた。 不幸は、貧困だけのことではない。夫婦関係が悪いとか、職場の人間関係が最悪だとか、いじめにあっているとか、さらには顔かたちがブサイクだとか、病弱だとかと…

感想・2018年7月22日

<邂逅> 東日本大震災は、1000年に一度の大津波に加えて世界最大級の原発事故が重なり、この災害を境にして日本人が変わるだろうといわれたりしたが、7年たって、けっきょくそんなこともなかったらしい。 良くも悪くも、相も変わらず日本人は日本人で…

感想・2018年7月21日

<おたがいさま> 現在のこの国の母子家庭・父子家庭の割合は、だいたい全体の一割くらいらしい。 その数が多いのか少ないのか知らないが、とくに母子家庭は経済的に困窮している場合が多く、そうなると子供の教育には大きなハンディキャップになる。そして…

感想・2018年7月19日

<弱者とは誰か?>今どきの自民党の政治家は嘘つきばかりで早くやめてもらいたいと思っている人たちが半分いて、べつにこのままでもかまわないとか自民党のほうがいいんだと評価している人たちが半分いる。 いずれにせよ社会的弱者はマイノリティで、大なり…

感想・2018年7月18日

<ネトウヨと批評家> 批評とは何かということはよくわからないのだけれど、今どきはネット社会で、誰もが批評家になっているとか一億総批評家時代などともいわれている。 ネトウヨだって、まあ批評家なのだ。彼らは、この世でもっとも俗悪な批評行為に血道…

感想・2018年7月17日

<桜の花の下で> まあ人は、人類滅亡を夢見ている存在だから、戦争をしたがるし、「ネアンデルタール人は滅んだ」などといいたがるのかもしれない。 しかし、人類滅亡を夢見ることこそが命のはたらきや心のはたらきを活性化させるのであり、そんなめでたい…

感想・2018年7月16日

<人類滅亡は不幸ですか?> やっぱり、プライベートなことは、あまり書きたいとは思わない。 書きたいほどのことなんかないし、しかし書くこと自体が自分をさらけ出すことだということも承知しているつもりです。 誰だって、何かを書きたいという衝動は持っ…

感想・2018年7月14日

<恥多き> 今どきはめまぐるしく移り変わる世の中だから、たえず現在の時代はどうなっているのかと気にしながら生きていかねばならない。 気にしなくてもいいのだが、気になってしまう。 戦後10年目ころにテレビが登場し、たちまち誰もがそれを欲しがるよ…