2017-01-01から1年間の記事一覧

たましい・神道と天皇(94)

1 小池百合子劇場の幕はとっくに下りてしまっていると思えるのだが、テレビのワイドショーはまだまだ引っ張るつもりらしい。 巷の関心はもう、そこから離れてきている。 風は、煽るものと煽られるものがいて吹いてくる。選挙期間の小池百合子は、都政そっち…

政治の世界は複雑で気味が悪い・神道と天皇(93)

1 「立憲民主党」のツイッターのページのフォロワーの数がものすごい勢いで増え続けて政党ナンバーワンに躍り出て、今や自民党よりも多いのだとか。はたしてこの勢いを投票日まで維持できるかというところが試金石なのだろうが、それだけの刺激的な話題を提…

起死回生の戦いに挑む・神道と天皇(92)

1 人が生き延びるための正義・正論よりも、生き延びることなく勘定に入れずひたすら「今ここ」の世界に他愛なくピュアに反応してゆく「清純な魂」のほうがずっと美しく崇高である。その「清純な魂」に対する「遠い憧れ」ともに日本人は、ここまで憲法第九条…

清純な魂・神道と天皇(91)

1 たとえそれが実用的でなくても、日本人は歴史的に、正義ではなく、この世のもっとも美しく崇高なものを祀り上げてきた。正義を振りかざすのは下品なことだ、と思っている。 正義ぶった政治オタクなんか、うんざりだ。こういうご時世だからこそ、あえてそ…

嘆きのゆくえ・神道と天皇(90)

1 解散総選挙だってさ。 僕はこの国の未来がどうあるべきかということのいかなる意見も持ち合わせていないが、さすがにこんな状況になってくると、いったいどうなってしまうのだろうという感慨はいやでも湧いてくる。 政治家はもう、なんだか右翼ばかりにな…

正義を押し付けてくれるな・神道と宗教(89)

1 現在の世界は、政治や宗教に飽き飽きしはじめている。 だって、今どきの政治や宗教など、あれこれのいざこざの種をつくっているだけなのだもの。 そのいざこざをおさめることこそ最重要の課題だというが、それによってまた新たないざこざが生まれてくるだ…

日本的な美意識・神道と天皇(88)

1 「パンとサーカス」という言葉がある。 大衆は愚かな生きものだから「パン」という物質的豊かさと「サーカス」という娯楽を求めるだけで、正義に対する信念など持っていない……というような意味らしい。 まあ、ローマ帝国はそうやって内側から腐ってゆくこ…

処女の気むずかしさと憂鬱・神道と天皇(87)

1 今をときめく「ベビーメタル」の3人の娘は、拍子抜けするくらいメタルロックのおどろおどろした呪術的な雰囲気はなく、これじゃあAKBと大した違いはない、とさえ思う。 それでもAKB以上に世界中で大うけしている。一流の演奏者による高度なメタルロック…

きよきあかきこころ・神道と天皇(86)

1 左翼も右翼も好きじゃない。 えらそうに正義・正論を振りかざされても、世の中は彼らのいう通りになるとはかぎらないし、世の中を自分の思う通りにしようとする、その権力志向のさまが鬱陶しい。日本人はいつからそんな自意識過剰の民族になってしまった…

高貴なもの・神道と天皇(85)

1 近ごろのマスコミにおける「日本万歳」のブームだって、多くの日本人が「自分は正しい」という思い込みに酔いたがっている、ということだろうか。 日本人はいつから自己批判できない民族になってしまったのだろう……という声がどこかから聞こえてきそうだ…

呪術と正義と、右翼という立場・神道と天皇(84)

1 人はかんたんに洗脳されてしまう生きものである。 だから、宗教がこの世界からなくならない。 しかしそれと同時に、すべてを疑う生きものでもある。 なぜなら、その信じている真実が、ただ洗脳されただけのものにすぎないのなら、とうぜん疑ってみようと…

日本的な死生観・神道と天皇(83)

1 日本人は、伝統的に生と死をどのようにとらえて歴史を歩んできたのだろう。 キリスト教や仏教は「天国」や「極楽浄土」や「生まれ変わり」というかたちで「死後の世界」を設定している。 それに対して神道でいう真っ暗闇の「黄泉の国」というイメージは、…

イスラム教は世界を征服するか?・神道と天皇(82)

1 22世紀になれば世界はキリスト教徒よりもイスラム教徒のほうが多くなっている、といわれている。 宗教の問題はほんとうにやっかいだ。 人類の世界に、宗教はそんなにも大切なものか。現実にあるのだから、あってもかまわないが、なければならないという…

初音ミクは侮れない・神道と天皇(81)

1 ボーカロイド「初音ミク」の登場に、僕は胸騒ぎを覚えた。それは、巫女や舞妓の伝統の延長線上で起きてきた現象かもしれない。 「初音ミク」は、究極の「処女性」をまとっている。そしてその人気は、今や世界中に広がっている。 今どきのロリータ系のマン…

ロリータと女子会・神道と天皇(80)

1 近ごろ、「女子会」という言葉が妙に目立ってきている。 「コンパ」とか「婚活」というようなことが、ちょっと野暮ったくなってきたことの反作用だろうか。男たちが今なおそれを追いかけているとしても、女たちはもう、いささか飽きてきている。 「男子会…

神という言葉をもてあそぶ・神道と天皇(79)

1 僕は、ひとつのことを一直線に掘り進んでゆくということがどうも苦手らしい。 どうしても考えることの筋道が右往左往してしまう。 まあ、日本人だから仕方ないということもあるのだろうか。 ほんとうは、原初の天皇は舞の名手としての巫女(=思春期の少…

他愛なさの集団性・神道と天皇(78)

1 人は先験的に「関係」の中に置かれている存在であり、人の「集団性」という問題は、いろんなことを考えさせられる。 日本人は集団主義か個人主義かというような問題設定なんてナンセンスだ。人間なら誰だって集団性と個人性の両方のメンタリティを持って…

よくわからない・神道と天皇(77)

1 日本列島は世界的に見ても観光資源が豊富だが、そのわりに外国人観光客の数は多くない。それは、彼らを受け入れる環境が整っていないということがあるらしい。旅館やホテルにしても、おもに国内の観光客(団体客)ばかりを相手にしてきて、物心両面で外国…

他愛なさの集団性・神道と天皇(76)

1 近ごろは、靖国神社が、少女たちのコスプレファッションの聖地のひとつになっているらしい。 まあその前からそこは「パワースポット」として有名になっており、戦死者の「英霊=霊魂」が濃密に漂っているという噂がすでに定着している。 コスプレとは非日…

東京の集団性にだって伝統的な洗練はある・神道と天皇(75)

1 東京の観光地といえば、原宿・渋谷・新宿・銀座・浅草といったところだろうか。 はじめて日本列島にやってきた外国人はまず、文化の多様性に驚く。その「混沌」に驚く。「秩序=神の裁き」の上に成り立った国で暮らす彼らは、「混沌」そのものが魅力的な…

まとまらない会議・神道と天皇(74)

1 近ごろの右翼系論客のひとりであるらしいある評論家が、自分のブログで『日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな』というタイトルの記事を書いていた。つまり、そんなことに頑張っても国レベルではたいした経済効果にもならないし、もっと日本人とし…

日本的な・神道と天皇(73)

1 人類集団におけるもっとも普遍的本質的なカリスマとは、どんな対象だろうか。 「神」ではない。それは絶対的な存在として上から下りてくる存在であって、こちらから憧れてゆく対象ではない。 いつの時代も人は、神に裁いてもらったり救ってもらったりして…

戦争がやめられない集団性・神道と天皇(72)

1 「奈良盆地最初の大和朝廷は九州・中国地方の豪族による連立政権として生まれてきた」だなんて、僕からしたら、中学生の昼休みの雑談じゃあるまいし何をふざけたことをいっているのだろうと思うばかりだが、世間ではそれがほとんど通説のようになっている…

洗練された集団性・神道と天皇(71)

1 天皇の存在は、日本人の集団性と分かちがたく結びついている。 だからといって、天皇制を大切にせよ、というつもりはない。僕は、むやみな天皇賛美も天皇制反対も好きではない。天皇(制)とは何かという問題はあっても、天皇制をどうするべきかという問…

日本人としての誇りは必要か?・神道と天皇(70)

1 日本人の信号を守るとかごみを散らかさないというような集団性を、初めて日本にやってきた外国人が感心するそうなのだが、これを「規律正しさ」という言葉で片付けてもらっては困る。 日本人の規律意識は薄い。信号を守ることもごみを散らかさないことも…

日本人の集団性・神道と天皇(69)

1 この文明社会から宗教がなくなることはないだろうし、宗教を特権化したがる観念的風潮は今なお安泰だ。 宗教なんか人間性の自然でも本質でもないのに、それでもわれわれ文明人は、多かれ少なかれ宗教的であるほかない生を余儀なくされている。 宗教の歴史…

民俗学の視点で・神道と天皇(68)

1 オカルトなんかろくでもないといっても、それにのめり込んでいる人たちはそれが楽しくてしょうがないのだろうし、のめり込んだもの勝ちだということもある。 どうせ一回きりの人生だ。のめり込んで生きるに越したことはない、ともいえる。べつにそれなら…

葬送儀礼は宗教か?・神道と天皇(67)

1 世の歴史家は、なぜあんなにもかんたんに「原始時代には原始宗教(アニミズム)があった」と決めつけてしまうのだろう。 ひとつは、原始時代から死者を葬る(埋葬)ことをしていたということがあるからだろうか。まあ普通に考えればそれは宗教的な行為だ…

歌や踊りの起源・天皇と神道(66)

1 人類史における歌や踊りは、いつからはじまったのだろうか。 それは、言葉の起源と同じくらいよくわからない問題にちがいない。 では、言葉の起源と歌や踊りの起源とどちらが先だろうか。どちらも人が人であることの固有の生態のように思えるが、これも、…

処女(思春期の少女)の舞・神道と天皇(65)

1 人類はなぜ「処女(思春期の少女)の舞」に感動するのだろうか。 思春期の少女ならではの独特の姿(=たたずまい)があり、それはとうぜん身のこなしにもあらわれる。何かよくわからないが、まあそういうことなのだ。世界中にその時期の少女の舞を尊重す…