すれてゆく・ここだけの女性論2
1
ブスだろうと野暮ったかろうと若ければ勝ちさ、ということはあると思います。人間はそれほどに「若い」ということに対する思い入れを持っている。年をとればとるほどその思いは深くなる。
もちろん若い人にとっては若いということなど鬱陶しいだけだったりするが、大人になると、だんだん若いということがいかに貴重かということが胸にしみてくる。
そうして、若い娘に対抗心を持ったりしないといけなくなる。
今どきの大人の女性論なんか、すでに若くない自分を正当化したくて書いているだけなのだから、いわせておけばいいだけでしょう。
若い娘なら、野暮ったいことよりも、いい女になることや男の扱い方ばかり研究していることのほうが、よほどぶざまです。
自分は自分なりに、人のめざわりにならないように生きていられたらそれでじゅうぶんでしょう。「彼氏」なんかいてもいなくてもいい。「いなくてもいい」と思えるのが若い娘の特権です。夢中になれることは、ほかにいくらでもある。
大人の女になると、彼氏がいないことに肩身が狭い思いになってきたりする。でも、大人になっても「いなくてもいい」と思って生きている女もいる。そのさわやかさというのもあります。
まあ、大人の女のいう「こうしたほうがいい」とか「こうするべきだ」という話は、なるべくスルーしてしまったほうがいい。自分の頭で考えられる範囲で考えるということは、自分のセンスを持つということでもあるのでしょう。
成長する必要なんか何もない。成長するとは、すれてゆく、ということでしょう。
いい女になる方法や男の扱い方を知っているということは、すれている、ということでしょう。知らないほうが自分らしくあることができるのかもしれない。まあ、「知らない」ということを生きるのも、それなりのセンスと志がないとできないことかもしれないが。
2
女は、いつごろからすれてくるのでしょうか。
高校を卒業したあたりからでしょうか。
もちろん、すべての女が、というつもりはありませんよ。
しかしこのあたりを境にして、どんどん世間ずれしてゆく娘がいる。結婚とか、女どうしの競争とか、そんなことを意識するようになってくるからでしょうね。大学に入ったり就職したりしたすぐのころからもう、積極的に男に愛想を振りまいてつかまえにゆくとか、そういうことをどんどん覚えてゆく。
そうして、いまだに高校生時代の気分を引きずっている女たちは、半ばあきれながら、私にはできない、と思う。彼女らはまだ大人の世界に入ってゆきたくないし、「いい女」になるとか「幸せ」になるとか、そんなことよりもほかに考えることがあるだろう、とも思う。彼女らは、大人の醜さとかずるさを語り合いながら、自分たちはつまらないことにこだわってお気楽に生きられないと嘆く。
そんなふうにしてたとえば、クリスマスの夜を男と過ごす女たちと、女どうしで過ごすグループとに分かれてゆく。では、後者のグループの女たちはその後の人生で婚期が遅れるかというと、これがあんがいそうでもなく、身近な男を見つけてさっさと結婚してしまうことも多い。そして「いい女」路線を歩んだ女のほうがぐずぐずと結婚できないままでいたりする。なぜなら、自分が「いい女」になってゆくということは、つねに「今よりもっとランクの高い男と出会えるはずだ」と思い続けることでもあります。
3
結婚がいいことか悪いことか知らないけど、結婚するということは「いい男を見つける」ことではなく、「人生のなりゆきに身をまかせる」ということなのですよね。
それと、大人の世界の醜さやずるさに染まりたくないのなら、結婚するのもひとつの方法かもしれない。
キャリアウーマンという身分にもピンからキリまであるのだろうが、いずれにせよ大人の世界に入ってあれこれの処世術を覚えたり男漁りをしてゆくというのも、それなりに大変な人生でしょう。
婚活がいいか悪いかということ以前に、それはたぶん不幸なことだろうと思えます。
いい男を捜すなんて不幸なことでしょう。それ自体が、男にときめいてゆく感性を失っている証拠です。それは、ただたんに処世術を磨いているだけの行為であり、そうやって世間の垢に染まりながら汚れていっている。婚活なんて、ようするにビジネス行為なのではないのですか。男に自分を売り込んで買ってもらう。それは、車のセールスをしているのと一緒でしょう。
そういう苦労をしんどいと思わないで毎週のようにあちこち遠征してゆく女がいるらしいが、そうなるともう、なんだか病気っぽい。
結婚なんか「まあこんなものかな」と思いながらするものでしょう。ほとんどの女たちは、たぶんそうやって結婚している。そして男も女も、自分にどんなメリットがあるかということ以前に、この相手を生かしたやりたいという思いにもなっているのでしょう。なんのかのといっても結婚なんか多少なりともそういう思いがなければできるものじゃないし、そういう思いになるのが人間の本性なのでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一日一回のクリック、どうかよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ