あきれ果てて、ものも言えない

1 承前 空々しい「緊急事態宣言」なんか出されても、なんのこっちゃ、という話である。 僕はすでに老人だし不健康な生き方をしてきたから、もしもコロナウイルスに感染したら、志村けんのようにあっという間に死んでしまうにちがいない。 それでも、とくに…

疫病の哲学

1 「感染爆発(オーバー・シュート)」などといっても、この国で完全な「都市封鎖」というのは難しいらしい。 法律的な問題だけでなく、歴史風土としての国民のメンタリティとか社会構造とかの問題もある。 四大文明発祥の地をはじめとする大陸の古代都市は…

かなしいコロナウイルス

1 このブログの現在のテーマは天皇制を中心にした日本文化論であったはずだが、ここにいたってはもう、何かコロナウイルスのこと以外のことを書いてはいけない気になってしまう。しかも、現在の政府や官僚の対応があまりにも愚劣で醜悪で、なんだかありえな…

なにやってるんだか

1 この国のコロナウイルスの感染者の実数は、いったいどれくらいだろうか。国は本気できちんと検査をしていないのだから、まるでわからない。「そのうち終息するだろう」という安易な考えで小手先のごまかしばかりをしているから、人々はよけいに不安になる…

コロナウイルスは天使からの贈り物である

1 歳をとると、「可能性」のことよりも「不可能性」のことを想う。 ここでいう「どこかのだれか」とは、「いつかどこかで会うかもしれない相手」ではなく「永久に出会うことのない相手」のことだ。 どんなに若くて行動範囲や交際範囲が広い人でも、一生でこ…

どこかでだれかがコロナウイルスで苦しんでいる

1 この国の政府場当たり的による場当たり的なコロナウイルス対策のことで、欧米からのさまざまな批判を浴びているらしい。 そりゃあそうだろう、こんなにも愚劣で醜悪な政府や官僚がしていることだもの。彼らはもう、そういう「今だけ金だけ自分だけ」とい…

日本的で東洋的な現代貨幣理論

1 国会における「桜を見る会」の総理大臣の答弁はもはやあきれるほど下品で惨憺たるものだが、そのまわりに群がってやりたい放題に勝手なことをしている人間たちがたくさんいることも、ある意味でさらに不愉快なことだ。 個人的な感想を言わせていただくな…

彼らはなぜMMTを忌み嫌うのか

1 「日本終わってる」……の大合唱が起こりはじめている。 貧富の格差はどんどん進んでゆくし、ヘイトや差別や分断やハラスメントやメンヘラが蔓延していて、こんな国で暮らしてゆくのは地獄だ、と思う人はたくさんいる。 しかしそれでも世界は輝いていて、そ…

沈黙交易と、等価交換という幻想と、現代貨幣理論

1 原始時代のきらきら光る貝殻や石粒の貨幣は、「交換の道具」ではなく、「贈与=捧げもの」の形見だった。 それは、衣食住のものよりももっと大切なものだった。というか、大切さの質が決定的に違っていた。前者は異次元的超越的な存在で、後者は現世的地…

世界は輝いているか……ここだけの現代貨幣理論

1 承前 貨幣の起源と本質について考えてゆくと、MMTがそれと矛盾していないことがわかる。 ips細胞だって、細胞の起源と本質にかなっているから実現したのだろう。 人間社会の多くの問題は、とりあえず起源のところまでさかのぼって考えてみないと解…

祭りのあとのかなしみと現代貨幣理論

1 京都市長選で、福山和人候補が負けてしまった。あんなにも盛り上がっていたのに、応援していた人たちはそうとうなショックだったにちがいなく、悶々として眠られぬ一夜になったことだろう。 今回は、権力者である現職の候補と反権力の市民派二人の三つ巴…

消えてゆくお金の意味と価値……現代貨幣理論は正しいか?

1 ここで貨幣の起源と本質について考えようとしたきっかけは、経済学者の安富歩氏のある発言がとても気になったからだ。 彼は、「お金(貨幣)はほんらい意味も価値もない」といった。 僕は、東大教授である彼の研究がいかに幅広く高度で深いものであるかと…

貨幣経済の進化論

1 金が仇の世の中で、アメリカのトランプは根っからの商売人だし、今や世界中の政治が経済の問題を中心にして動いているのだとか。 トランプが軍に命令してイランのスレイマニ将軍を殺させたのも、つまるところ石油利権や軍事利権が絡んだ問題だともいわれ…

女たちよ、立ち上がれ

1 衆議院の解散総選挙はいつあるのか? どうやら秋になるらしいが、自民党が負けるというおもしろいことはけっきょく起きそうもないらしい。 僕は政治オンチだから、政策がどうのということなどよくわからない。そして選挙に行くことが義務だとも権利だとも…

金が仇の世の中で

1 僕は天皇制は普遍的だと考えているからべつに左翼ではないつもりだが、安倍首相が立憲民主党の議員の質問の際に「共産党!」というヤジを飛ばしたように、今どきの右翼は「共産党」とか「左翼」という言葉を「蔑称」ように扱っていて、この醜悪な思い上が…

ねこのいるまち

1 カルロス・ゴーンの記者会見は、猛々しく自己正当化の主張をまくしたてるばかりで、世の中にはこんなけったいな人間もいるのかとうんざりするばかりだった。なんだか異星人を眺めているような気分だった。これでゴーンを見直した、という感想を持った人が…

山本太郎は時代の「生贄」である

1 正月もすでに一週間が過ぎてしまった。 桜を見る会疑惑とか、カジノ疑獄とか、自衛隊のイラン派遣とか、野党のいじましい合流劇とか、ろくでもない政治状況のこの国は、この先いったいどうなってゆくのだろうか? 桜を見る会の追求とか、アメリカ軍による…

「ねこランド」と「色ごとの文化」

1 正月はめでたい、といいたくもあり、いえそうもなし、おらが春。 去年の暮れの主な関心事は、伊藤詩織レイプ事件の判決と、安富歩氏のツイッターでちょっとした炎上騒ぎが起きたことだった。 安富氏のツイッターはもともと荒れ模様のところがあり、れいわ…

大晦日の雑感

1 といっても、べつに今年一年を総括しようというのではない。 だれだってつねに「今ここ」を生きているのだし、なんだかひどい世の中になってしまったものだなあ、と思うばかりだ。 というわけで、たいして変わり映えのしない前回の続きの雑感を書くことに…

女はなぜ強姦魔を許して泣き寝入りをしてしまうのか

1 強姦をした後に、「ごめん、やりたくてたまらなくなってしまったんだよ」と何度も誤れば、女は許してくれるだろうか……? 伊藤詩織レイプ事件の民事裁判で、現在の総理大臣と親交のあった山口何某という元TBSワシントン支局長の被告に有罪判決が出た。 …

13歳

1 安倍晋三というその人の醜悪さ以上に、そのまわりに群がる者たちの恥知らずな意地汚さは、醜悪を通り越して凶悪でさえあると思う。 今の政治状況は、ほんとうにひどい。一部の者が権力を独占してそこに群がってゆく者たちがいて、それが現在の日本人の多…

「男系男子」というグロテスク

1 現在のこのブログで書き続けているシリーズの主題は、天皇制の起源と本質を問うことにある。 元号が平成から令和に代わったことだし、戦後もすでに70年以上経過して、そろそろもう明治以来捏造されてきた天皇観にケリをつけてもいいのではないだろうか…

投票に行く理由

1 現政権は、この国をめちゃくちゃにしてくれた。多くの下層の民衆がすっかり疲弊し困窮している、という。これは、安倍晋三ひとりだけのせいだともいえない。そのまわりに群がって甘い汁を吸っている政治家や官僚や資本家やインテリやマスコミがたくさんい…

レイシズムとファシズムに関する雑感

1 高橋洋一という財務官僚出身の評論家が、「石垣のり子は私のことをレイシストだと批判した、名誉棄損だ、許せない!」と息巻いているらしい。 そうして石垣のり子は今、ネット界隈でネトウヨたちから「硬直した左翼原理主義者だ」というような集中砲火を…

女は新しい時代を夢見ている

1 国会内の「桜を見る会」疑惑騒動をよそに山本太郎は、相変わらず精力的に全国街宣を続けている。野党陣営はこれで政権与党を倒すことができるともくろんでいるのだろうが、おそらくそうはうまく行かない。 今すぐ総選挙になっても野党が勝てる要素はほと…

桜と天皇と右翼と

1 「桜を見る会」の買収疑惑は、ロッキード疑惑のような政治権力の変わり目になるのだろうか。ロッキード疑惑よりもスケールは小さいが、なんといっても桜は日本人にもっとも愛されている花であり、そんな桜の清らかな美しさを汚されたという思いはだれの中…

天皇を民衆のもとに取り戻す

1 現在のワイドショーの中心的な話題は、安倍晋三による「桜を見る会」の買収疑惑と沢尻エリカの薬物使用疑惑の二本立てであるらしいが、まあ一般的な視聴者の関心は沢尻エリカのほうにより多く集まっていることだろう。 そりゃあ「桜を見る会」疑惑だって…

「セクシー」に行こう?

1 今回は日本列島の伝としての「華=花」という美意識について考えてみます。 総理大臣をはじめとする政権与党一味が「桜を見る会」を私物化していて許せないと野党の政治家たちが騒いでいるらしいが、そういうことが許される社会状況があるのだからそうす…

今宵逢ふ人みな美しき

1 新しい天皇・皇后即位の祝賀パレードは、ずいぶん盛大で華やかだった。たしかに車の上のご両人は美しく輝いていたし、それ見守る群衆の目もいきいきと輝いていた。 この光景を見たら、権力者だって改めて天皇の人気を認識し、ますます政治利用しようとい…

民主主義の牙城

1 首里城が燃えたのは、ショックだった。沖縄の受難の歴史を象徴するような出来事に思えた。たぶん沖縄は、モナコのように独立するのがいちばんいいのだろう。もしもモナコが美しい国としてヨーロッパじゅうから愛されているとしたら、沖縄だってアジアじゅ…